兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ

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第四章

19傷だらけの思い

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これですべてを話し終えた。
別邸で起きた出来事はすべてだった。


「私は酷い女です。ダニアと同じ」

実の母を痛めつけても罪悪感を感じない。
異父兄であるシェパードに対しても同じだった。


「違う…それは違うぞ」

「マリーちゃん。よく聞きなさい」

顔を俯かせる私にお母様は肩を掴み言い聞かせるように告げた。


「血が繋がっていても冷めきった関係はあるわ。血が繋がっているから愛情を抱くわけじゃない。むしろマリーちゃんは最後まで信じたのよ」

「私がですか…」

「最初からあの二人を捌くならもっと効率よい方法があるわ。でもしなかった」


私は信じていた?
最後の最後に情を抱いた?


「大好きなお父様を侮辱されて貴女の優しさは踏みつけられた」

「そうだ。君は酷い女じゃない。君が酷いなら目の前に大魔女がいるだろう」


「母親に向かってなんて言いぐさなの」

「既にやらかしているだろう」


こんな時までも変わらない二人のやり取りに救われる。


「私を許してくれるのアンリ?」

「許すも何もない」

「マリーちゃん、それこそ私の娘よ。女は時に強くなくてはならないのよ」

「また余計な…」

「お黙りなさい」


私の手を優しく握ってくださるお母様に笑みがこぼれた。


「母親である以上、我が子を守る為に強くなくてはダメなのよ。子を守る為なら覚悟がいるわ」

「頼むからこれ以上けしかけないでくれるか」


私はまだまだお母様やオリアナ様のような強さも賢さも持ち合わせていない。



でも少しでも近づけたのだろうか。



「マリーちゃんはこれからもっと辛い思いをするわ。汚い水を飲んで行かなくてはダメなの」


「はい」

「でも負けてはダメ。貴女は一人じゃないわ」


そうだ…
まだ私は社交界では新参者で、心を折れそうになったけど。


まだ折れては行けない。
折れるわけには行かないのに、私は怖がって逃げようとした。


「これから始まるのよ。貴女の戦いが」

「はい」

「だけど一人で戦うわけじゃない。だから今度こそちゃんと私を頼るのよ」

「そこは俺だろ」

「女の戦いに男は入ってこれないわよ」


不服そうに言うアンリに苦笑するけど、私の戦いはまだ始まったばかり。
まだまだ続くのだから。



これからも戦っていかなくては。


「はい、私は戦い続けます」


過去を笑い飛ばせるように強くならなくてはならないと思った。



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