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第四章
46未来への一歩
その後私達は幸福な日々を過ごした。
大商人となったアンリは常に苦労が付きまとい、高位貴族の争いに巻き込まれる事も多くあった。
元母親が罪人となった事で避難を浴び離縁すべきだと言う声も上がったが、私達は握った手を放す事はなかった。
王族暗殺未遂事件が起きたり、いわれのない罪をなすりつけられそうになったが私達は機転を利かせ窮地を抜け出して来た。
その窮地も不正を働き私達に罪をかぶせようとしたのだけど、逆に墓穴を掘ってしまったので粛清されてしまった。
その功績により、アンリは伯爵の爵位を賜り異例の出世を果した。
平民が伯爵にまでなった異例はなく下剋上を果したとも噂になり、そこから私達が以前から計画していた学校が設立された。
「マリー、そろそろお時間だ」
「ええ、解りました」
身分至上主義の時代を無くすべく私は学園を設立し学園長となった。
一般教養だけでなく専門的スキルを学べる学校だ。
対するアンリは未来の文官や文官秘書を育てる学校の教員に抜擢された。
「今年の新入生はどうかしら?」
「中々個性的な生徒が勢ぞろいしているな。癖のある」
「結構」
学園長室の窓を開けて周りを見渡す。
「ここからすべてが始まるわ」
遠い国から留学して来た生徒。
地方から特待生を利用して来た生徒。
様々な環境が異なる中でどう変わるか。
『それではわが校の学園長からお言葉を』
「皆さん入学おめでとう」
すべてはここからはじまる。
期待と不安を抱きながらここで多くを学んで成長して欲しい。
扉を開く事はとても勇気がいるし、怖いと思うけどその一歩を踏み出して欲しい。
「ここにいる皆さんは今から明るい扉を開く前にいます。ご自身の手で扉を開いてください」
そう、まだ扉の前にいた。
希望の扉か絶望の扉かは誰にもわからない。
私達でも神様でも。
だってまだ扉を開く前だもの。
「皆さんの人生が輝きますように、多くの可能性と言う花を咲かせてください」
扉を開けてからしか解らない。
だって宝箱だって中に何が入っているか解るのは開けてから。
空箱か宝箱かは開けてからじゃないと解らないのだから。
「皆さん、入学おめでとう」
全てがここから始まる。
今日から始まるこの子達に幸あらんことを。
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