14 / 19
第一章
13邪魔な女~ルーナside
しおりを挟むずっと大嫌いだった。
嫌悪感を抱き、殺してやりたいと何度も思って来た。
私は子爵家の令嬢として生まれた。
だけど、裕福ではなく、貴族街に住むことはでいなかった。
ドレスだってもっと華やかな物が欲しい。
本当はもっと多くの使用人に囲まれて優雅に暮らせるはずだった。
私は子爵令嬢如きで終わる人間じゃない!
なのに、元庶民でパッとしないリナの父親が国に貢献した事で伯爵位を得た。
元は男爵で子爵になったのもお金の力なのに!
母親だってしがないお針子じゃない!
「ルーナ、お前はあんな元平民とは違う。負けるんじゃない」
「貴女とあの子は違うのよ」
表向きは仲良くしていても蹴落とそうと考えていた両親と私。
そうよ、あんなのに負けるはずがない。
だから私は。
「リナ、新しいっデザイン画?」
「ええ、まだ試作段階なんだけど」
商会の手伝いをしているリナは新しい服のデザインを考えていた。
ボロネーゼ商会でも売り出している。
私は言葉巧みにリナのデザインの一枚を盗んだ。
でも、ボロネーゼ商会の服は普通の服の作り方ではなく。
コート一着でも縫い方が複雑で同じように作られなかった。
「ルーナ!デザイン画だけではなく型紙も何故盗んでこなかった」
「そうよ。針子に作らせた売ったけど、客からクレームが出ているわ」
「おかげで、猿真似だと侮辱を受けたじゃないか!この役立たずが!」
私を罵倒する両親。
デザイン画だけでは構造が解らない。
でも、型紙は持ち出していないし。
型紙だけでなく縫い方も特殊だったらしく、サンプルを盗みだしたけど。
完全に再現させようとしても。
「このコートは私達では無理です。お針子は天才です」
「なんて素晴らしい縫い方でしょう」
賛美してんじゃないわよ!
このコートを作ったのはリナで更に私を苛立せた。
そんな中、リナが個人経営を任された。
お父様は対抗すべく私にも服飾店の経営をさせた。
同い年で同じ時期に服飾店を開店させた。
宣伝にお金をかけ、サクラを用意して初日は圧倒的に私の店の方が多かった。
私に好意を寄せる男達にも声をかけた。
でも、その一週間後。
着々と顧客を増やしたリナは一か月後にはリピーターを増やしていた。
対する私の店は一か月後に潰れてしまった。
「ルーナ!」
「私はちゃんとしたわよ」
「だったら何故潰れた!客から不良品を売りつけたと苦情が来た!接客も悪いと」
「なんて事なの!貴女の店の客はあの娘の店に流れたと」
頭の固い中年女は重いコートは気に入らないらしい。
見た目だけは派手だとかいちゃもんをつけた。
だけど、私の店が潰れた事で私達の生活は困窮した。
全てはリナの…
ボロネーゼ家の所為よ!
10
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
包帯妻の素顔は。
サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる