聖女でなくなったので婚約破棄されましたが、幸せになります。

ユウ

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第一章

9責任

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結界の亀裂から瘴気はあふれ出し、被害は相当な物だった。


その責任の一端は祈りを怠ったジュリエットの責任となった。


「お前が王宮を出て結界を怠った所為で、こうなったのだ」


「私の責任と…」


イライザの代理として戦場に出たジュリエットの責任というにはあまりにも無理がある、


「お待ちください殿下、ジュリエット様は北を守護する聖女様です。被害のあった場所は遠く離れているではありませんか」


「黙れ、騎士団の団長如きが意見するな…聖女筆頭は常に結界の管理をするのが役目だろうが」

「いくら何でもあんまりです。ジュリエット様お一人で結界を」

「そうです」


第二騎士団はジュリエットだけに責任を取らせるのは間違いだというが。


「控えよ!」


「国王陛下」


そこに現れたのは国王だった。
騎士達はオルヴィスを止めてくれるのだろうと期待を持っていたが。


「ここ最近結界の意地が困難になっている。その事実は誠だな」

「はい、故に二重の結界が必要になっております」

ちらりとイライザを見ると舌打ちをする。
聖女としてあるまじき

「以前はそのような事はなかったはずだ」

「はい…」

「聖女ジュリエット、そなたが役目を怠けている所為ではないか」



その言葉に周りはざわめく。


「最近は頻繁に視察と偽り遊び歩いていると他の聖女から報告を受けている。オルヴィスとも真面に話をしないで部屋に籠っているとな」


「公務は怠っておりません」

「聖女として、王太子の婚約者としての役目を放棄して何を言うか」

「恐れながら私は聖女として王宮におります。それ以外の理由はございません」

「貴様!後ろ盾もない没落貴族の分際でこの国の王になんと無礼な!」


ジュリエットはこの場で吊るし上げにされ、お膳立てのように行われている断罪の場で全てを理解する。


(イライザの失敗を私の責任にする気ね)


王家がこれまでして来たことを思えば解っていた事だ。
何時かこんな日が来るだろうと思っていた。


聖女としての功績はあっても何の後ろ盾のないジュリエットは利用価値が無くなれたば体よく切り捨てられる。


「陛下、発言をお許しいただけますでしょうか」

「良い、申して見よ」

「ここ最近、祈りの力が衰え、王宮を抜け出すジュリエットを見た者がおります」


「わっ…私も見ました。ジュリエットは王宮を抜けだしては外に出て…それで」


イライザだけでなくミーシャも一緒になって言う。
一瞬だけジュリエットと目が合ったが罰の悪そうな表情をする。


「何という事だ、聖女筆頭でありながら…このような女が聖女であるはずがない!ジュリエット…貴様を聖女の称号を剥奪する!」


「それは私に聖女を辞めろと…」

「当然だ」


誰もが驚きを隠せなかった。
だが、他の聖女はクスクス笑い、ジュリエットをあざ笑っていた。


(そういう事ね)


悲しくもなかった。


だが、心の底から馬鹿が多いと思ったのだった。


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