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第二章
8オルヴィスの逆恨み②
しおりを挟むオルヴィスとリアンは幼少期から仲が良いとは言えなかった。
同じ母親から生まれながらもオルヴィスは父親似、リアンは母親似だった。
その考え方や性格までもが異なっていた。
特に王太子という立場上、幼少期は乳母に育てられその後は侍女が世話をする仕組みになっている。
対するリアンは第二王子と言う立場で乳母に世話をされていたが、母親との過ごす時間は多かった。
多くの側近に囲まれちやほやされるオルヴィスと反対にリアンは王妃から厳しく言われた言葉があった。
「リアン、人の上に立つ者は常に周りに気を配るのですよ」
「はい」
「暴君となってはなりません、権力を持つ者は義務もあります。決して私欲で権力を使ってはならないです」
「お約束します」
聡明だったリアンは自分の立場を解っていた。
第二王子の立場はたんなる王太子の補佐でも裏方でもない事を理解していた。
王太子よりも家臣に近い故に王宮の人間関係が解る。
そして王族に敵意を持つ者がどれだけいるかを教えていた。
そして――
「オルヴィスは思い込みが激しく陛下に似すぎています」
「母上…」
「過ちを繰り返すし暴君となる時、貴方が止めるのですよ」
ぎゅっと抱きしめる王妃の手は震えていた。
「ごめんなさいリアン…貴方に苦労をかけるわ」
「母上、どうされたのです?」
「オルヴィスではダメなのに…なのに」
その頃王妃は重い病に侵されていた。
余命もわずかだと宣告され、リアンの将来を考えると胸が痛んだ。
「母上、どうか…」
母の不安を少しでも拭い去りたい。
幼いながらも母を守りたいという思いがリアンが王子として立派な振る舞いをする動力源になっていた。
しかし、その光景をオルヴィスは見ていた。
ずっとオルヴィスの傍若無人な態度に差別的な考えを改めるように母に咎められて来た。
オルヴィスからすれば自分のする事は常に拒否され間違いだと指摘されるのだと思っていたのだ。
対するリアンは否定される事無く愛情を一心に向けていた。
乳母や侍女の元で育つ第一王子と、母の元で育った第二王子。
周りからちやほやされ育ったオルヴィスだが、母親から愛された記憶はなかった。
常に厳し事を口にして自分を認めてくれない。
特に使用人達に関しても寛大な心を持つように咎められていた。
王太子として次期王となる自分は下々の者に甘い顔をするべきではないと言っても悲しい顔をされるだけだった、そんな日々を過ごす中、自分は母に愛されていない。
母が愛しているのは手元で育てたリアンだったと思い込みそれ以降はオルヴィスの嫉妬は酷くなったのだった。
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