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第一章侯爵令嬢の婚約者(仮)
14優しい主~リオネルside
しおりを挟む貧しいながらも騎士の父と優しい母に可愛い妹。
平凡でありながらも幸福だった。
だが、その幸福がある日突然壊れてしまった。
父が原因不明の不治の病に襲われ、五年前に帰らぬ人となり、母と妹も病にかかってしまった。
家族を守りたくて見習いの騎士になったが不治の病で、医師に診てもらうことも叶わなかった。
理由は私達が平民だからだ。
高い治療費を払えば完治すると言われたが、そんな保証はない。
身元引受人になってくださった元近衛騎士団将軍様。
現在は引退をした後に士官学校に教官として指導にこられていた。
平民である私を気にかけ才能があると、リシュベール侯爵家に行儀見習いに入るように声をかけてくださった。
そんな折、とある方の護衛にと命じられた。
アレクシウス・クレイン様。
今まで見た貴族様とはずいぶんと異なる方で、侍女長やセバスチャン様は困っているようだった。
「リオネル…」
従者に過ぎない私を慕ってくださり、無礼ながら弟がいたらこんな感じだろうかと思った。
ただ警戒心が無さすぎることと、王太子殿下とその側近に酷い扱いを受けていたそうだ。
その所為か、貴族子息でありながら低姿勢だ。
本人もレティシアお嬢様の婚約者となってもご自分は相応しくないと度々私におっしゃった。
「リオネル、本当ならもっと偉い人に仕えるべきだったんだよね」
「私達が主人を選ぶ権利はありません」
「でも、期限付きの侯爵家の婚約者だよ」
王太子殿下が白い結婚を前提の婚約を命じられたが、そんな話を旦那様は聞く気はない。
お嬢様も同様だろう。
だがご本人がそのつもりのようだ。
私は与えられた役目を全うするだけだ。
せめてこれ以上アレクシウス様が傷つかないように。
お優しすぎるこの方をこれ以上傷つけたくない。
なのにどうして――。
「リオネル、お母さんが元気になったら侯爵家に雇ってもらおう…俺頑張るから」
「アレクシウス様…」
「俺、何もないけど。でも、リオネルの大事な家族を養えるようになるから」
お優しいアレクシウス様。
従者に過ぎない私の母と妹を医師に診断させ、なおかつ治療費まで負担してくださった。
聞けば、二人の病は不治の病でもなく精霊の呪いでもない。
アレクシウス様は病名を見つけ、私の大事な家族の命を救ってくださっただけでなくご実家で療養できるように手配してくださった。
このご恩は一生かけてお返ししなくては。
「アレクシウス様、どうか私に騎士の誓いを」
「え?」
「どうか…」
唯一無二とする主としての誓いを。
そしてこの先、この方を一生守ろうと誓った。
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