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35.予感
「名案じゃ!」
豪快に笑いながら上機嫌になる先帝陛下に二人は頭を抱え、私も一緒に落ち込んだ。
「よぉーし、早速手紙を出すか。直筆で」
「伯父上ぇぇぇ!」
「それはまずいです!」
普段取り乱す事がないジークまでも死ぬ気で留めようとするも、何処からか便箋を取り出しあっという間に書いてしまう。
ピューイ!
口笛を吹くと前方から巨大な鷲が飛んでくる。
「ギャウ!」
「おお、これを隣国まで届けてくれ。頼んだぞチャッピー」
「チャッピー?」
あんな怖い肉食獣顔負けの巨大鷲。
グリフォンよりも大きいのになんて可愛い名前なの!
「相変わらず顔に似合わない名前だな」
「伯父上は昔からネーミングセンスが独特だったからな」
独特だけで済むの!
「チャッピーにかかれば一時間で隣国に到着だ。安心するが良い」
「「「安心できません!」」」
この時私達の心が一つとなった。
「伯父上、今すぐその手紙を…チャッピー!その手紙を渡しなさい。大好物のニンジンをあげるから」
「ニンジン…」
「チャッピーはベジタリアンだ。肉も食べるが基本は野菜と…」
「後でパンケーキを焼いてあげるから!」
「スイーツが大好物だ。一番のお気に入りはキャロットケーキだ」
あんな怖い顔でスイーツ、しかもパンケーキが大好物なんて。
「他にも好きな物はあるが…まぁ後々解る」
遠い目をするジークにチャッピーとの間に何かあったのかしら?
「さぁ、荷造りの準備に船の用意だ!」
「今はチャッピーよりもあの人だ」
「ええ」
隠居したとは言えど、未だに大きな影響力を持っている。
手紙を出したとしても、一週間後に他国に視察に行くなんて無理がある。
「ああなったら無理だ。止められない」
「どうしましょう」
結先帝陛下を説得す出来る人間はおらず、私達の一時帰国に先帝陛下とシーゲル様も同行することになってしまった。
「何故?」
「万一の時の為だ」
止めるのは至難の業でもフォロー役は必要と言う事なのね。
「大丈夫かしら」
「考えても仕方ないだろ?まぁ他国で問題を起こすような真似はしないだろう?」
「そっ、そうよね」
先帝陛下は少しばかりお茶目であるけど公の場で羽目を外す事はないないだろうと信じたいわ。
「さぁ、早く準備をせねばな!」
「伯父上!そんな真っ赤な服装はお止めください!何故愛剣を用意しているのです!鎧や銃も不要ですぞ!」
前言撤回するわ。
絶対に良からなぬことを考えていると思った。
「最悪の場合は俺達でも止めよう。強制的に」
「はい」
絶対に止めないと!
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