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47.対面
王宮に到着してすぐに王妃陛下の元に向かった。
その間隣の部屋で二人には待っててもらう形になっていた。
「お待たせしました」
「王妃陛下、御無沙汰しております」
案内された部屋は王妃陛下のサロンだった。
この部屋は許可がないと入る事は許されず、例え国王陛下であっても勝手に入る事は出来ないのだ。
「さぁ、お座りになって」
「はい、失礼します」
既に用意をされていたお茶の用意。
紅茶ではなくハーブティーで、優しい香りがして落ち着く。
「この香り…」
「覚えていて?この花を」
「カモミールの花ですか…」
忘れることはなかった。
だって、この花はジークが一番好きな花で、会うたびに私に摘んでくれたのだから。
「私がにティエゴを授かってすぐに体調が優れずにいた時にあの子が摘んでくれたのです。私が一番好きな花です」
「え?ですが…」
「公には私が好む花は薔薇のように豪華なものだとされています。その方が周りの印象には良いからと文官達に勝手に決められています。本当は薔薇よりも野に咲く花が好きです。王室に座っているよりも乗馬が好きですし、外に出ている方が良いわ。剣術だって好きだし続けたかった」
「王妃陛下」
「けれどすべて奪われ、私は好きな事を好きと言う事すら罪、自由に微笑むことも、出歩く事も、子を愛する事も抱く事も自由にできない。ですが、この花だけは私を今まで慰めてくれました」
やっぱり王妃陛下は…
ジークの事を!
「何故です」
私は歯がゆい気持ちでいっぱいだった。
「でしたらどうして、言葉でジークに伝えてくださらなかったのです」
「言葉にすれば安っぽくなるし、言葉は偽るなんて簡単です。その場のしのぎでなんとでもできます」
「そんな…」
じゃあ王妃陛下ずっと偽りの言葉を口にして偽りの心のままでいると?
自分の心を殺し続けて。
「私は国母。王妃という肩書はそんなに生易しくありません。陛下が病弱であるならば余計に…私が男にならねばと思いました。ジークを守るにはこの手から離すよりほかはない」
「では王妃陛下の思いは何処に行かれるのですか。そのように心を殺し続けてしまったら」
何時か王妃陛下の心は壊れてしまう。
ずっと一人で国を守り続けるのは不可能なのだから。
「心の中に留め、思い出を抱きしめて生きていくことは出来ます」
「けれど、ジークベルト様は…貴女様を今でもお慕いになっておられます。私にこの花を贈り続け、今も尚、この花を愛しているのは、母君への愛情ではありませんか」
このままでは二人は永遠にすれ違ってしまう。
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「お願い申し上げます。どうか!」
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