【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!

ユウ

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54.血筋か資質か





血筋を優先すべきだと言うのは前時代的な考えを持つ貴族達が多い。

私もその考えに賛同できないが、血筋がしっかりしていないからと攻撃される可能性もある。


だけど、今回の前例は血筋よりも王としての資質のある方を優先すべきだと言う声も上がる可能性が高い。


そうなると――。


「アリスティア、ジークベルトを立太子する話は出ているけど。猶予はあるわ。回避する事も出来てよ」

「え?」

「口に出さなくても顔にしっかり書いているわ」


そんなに解りやすかったかしら?
社交界では仮面をかぶり続けて演技は上手かったはずなのに。

「私は王妃、その程度の演技に騙されると思って?」

「申し訳ありません!」

「少し意地悪をしてしまったけど、許して頂戴。私の愛する息子を奪ったのだから」


悪戯が成功した子供のような表情で笑う王妃陛下。
こんな表情もできる方だったのね。


「王妃陛下」

「私はあの子を王にしたくなかった…あの子は優し過ぎるから」

寂しそうな目をされる王妃陛下は、ジークを深く愛していた。
お腹を痛めは我が子同様に。


「どうあがいて馬鹿な貴族達はジークの生まれを馬鹿にするでしょう。何より辺境地に言ってからのあの子の成長を聞き、王室の椅子に座るよりも貴族として騎士として生きる方が良いと思ったわ」


「私も同じでございます」

ジークが王太子に立太子したら多くの物を犠牲にして生きて行かなくてはならない。
過去に散々ジークを侮辱した者は手のひらを返して媚びを売って来るだろう。


「ティエゴが王の資質があるとは思っていません。ですが敵が少ないのは確かです。貴女との婚約が解消になった後に立派な令嬢を迎えれば十年程度は何とかなると思ってました」

「十年…ですか」

「中継ぎの王としてならばなんとかなりますから」


これは国を守る王妃としての立場故なのかもしれない。

第三者から見ればあんまりだと思われるけど、国の為ならば鬼にならなくてはならない。


「貴女は王妃の椅子に執着心はないわね」

「はい…」

「彼女と同じ顔をしているわ」

「え?」

彼女ってまさか!


「ロゼッタさんも、王太子妃になりたいわけじゃない。むしろ逆のようよ」

「王妃陛下?」

「来なさい。今から真実を知ればいいわ」


そう言われながら部屋を出て案内されたのは祈りの間だった。


そこから聞こえて来たのは神官長様のエメフィール様とロゼッタさんの声だった。


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