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62.お茶会
ティータイムの時間だったので、お茶をする事になったのだが。
「美味しい…幸せです」
「それは良かったですわ」
美味しそうにプリンを食べるロゼッタさん。
「味がします」
「おい、そんなに貧相な食事を与えられていたのか」
「失礼な事を言わないで。ちゃんと食事は出していたわ。まぁロゼッタさんはほとんど食べなかったけど」
「え?」
王宮に来て真面な食事をしていなかったのかしら?
「味が解らなくなって…それにどの料理も冷めていて」
「通常は毒見をするからな。温度も冷めているからな」
「そうですね」
王太子殿下の恋人となれば料理は手の込んだ物になる一方で、毒見をしっかりした後ならば冷めているだろうし。
「最初は食べていたんです。でも、怖くなって…以前にスープが腐っていて」
「は?腐っていた」
「出された紅茶のミルクも…」
ロゼッタさんはご両親の飲食店を幼少の頃から手伝っていた。
だからこそ食材の痛みも気づき、危機感もあったのかもしれない。
「それで、心配になって」
「ある意味、警戒心がしっかりしているな」
「そうね」
もし毒を盛られていたら?
考えるとぞっとする。
私もお妃教育の中で、敵視する令嬢から毒を盛られそうになったことがある。
事前に解毒剤を飲んでいたから命に別状はなかったけど、数日は寝込んだ事があったなんてティエゴ様は知らないでしょうね。
「それに、食べたいと思わなくなって…でも、このカボチャのプリンはすごく美味しいです」
「こちらのプリンはティアが考えたのです」
「ティア様が?」
今、ロゼッタさんが食べているカボチャのプリンは、数年前にアレルギーに苦しんでいる辺境地に住まう侯爵家のご令嬢の為に考えたのだ。
乳製品が食べられず、食欲もなく。
カボチャが大好物だと聞いていたので、カボチャのプリンを作れないかシェフに頼んだのだ。
「西の辺境地では牛の乳を飲む習慣がなかったらしいからな。豆乳を使ったお菓子…特に豆乳プリンやババロアやムースが大好物だそうです」
「それでカボチャか…」
「ええ、他の皆さんと同じお菓子が食べたいと泣いておられて。それで考えましたの」
ご令嬢の食べれるお菓子を流行らせればいいのではないか。
カボチャは西の辺境地の特産物でもあるし、貿易をするにも良いと判断した結果。
我が侯爵家がカボチャのお菓子を開発にしたのだ。
見た目も可愛らしく、豪華な焼き菓子やショートケーキに負けない程の見た目と味にした。
特にカボチャのプリンをご令嬢は大変気に入っておられたわ。
侯爵様も大変お喜びで、それ以降は私にも良くしてくださっていたわ。
今頃どうされているかしら。
今年で12歳になられるシャティ様はどうしているかしら。
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