義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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午後からの商談は宝石商との話し合いだった。
現在真珠やダイヤモンドが最高の宝石だと言われているが、私の実家の特産物の一つにビーズアクセサリーが流行っていた。


他にも螺鈿細工職人も多く存在していた。
ビーズは宝石ではないと言われているけど、天然の真珠よりも輝きもある。


価値は下がるが価格を下げることもできるし、洋服にも使える。


「本日お見せしたい品はこちらになります」

「これは…」

「ワンピースにビーズをあしらっています。天然の真珠には劣りますが価格は抑えられますし、限られた人だけではなく多くの人に来ていただけるかと」


高位貴族だけを相手にするのではなく商人貴族や平民にも手に入れやすい。


「高価な宝石は一部の人だけ…ですが価格を抑え大量生産をした方が利益は上がります。原価もこれぐらいですわ」

「なっ…そんな価格で」

「ですが、腕の良い職人が必要になります。いかがでしょう?」


現在見せたワンピースはビーズをあしらい七色に輝いている。
ただし、誰でもできるわけではない。

腕の良いお針子が必要だ。
そしてもう一つ、ワンピースとセットで見せたアクセサリー。


「これは…」

「螺鈿細工です」

未だに社交界に流行っていないけど私の実家では結構人気だった。
私は幼い頃から螺鈿細工が趣味で作っていた。

魔除けや、戦場に向かう恋人にも送る習慣があった。


「いかがでしょう」

「なんと見事な…」

「そこまでですよ。ここから先は…ねぇ?」

エレナが螺鈿細工の入ったジュエリーボックス閉じる。
流石だわ。

商売上手ね!


「侍女殿のペンダントは…」

「これも螺鈿ですのよ?とっても美しゅうございましょう?」


エレナは胸元のペンダントをちらりと見せる。

「そちらも奥様が?」

「ええ、奥様は多才でございますから…限定ですの」


商人や貴族の中には限定という言葉に弱い人がいる。


「これは一点物ですの」


流石エレナ、営業が上手い。
チラチラと見せながら相手が欲しそうにしているのを見せて隠すなんて流石よ!


こうして螺鈿細工の契約も出来たのだ。


「流石エレナ」

「奥様の腕ですわ」


売り込みに関してはエレナの右に出る人はいないわ。
本当に頼もしいわ。


「お疲れでしょう奥様」

「大丈夫よ」


この程度でへこたれてはいけないわ。
気合を入れていた私だったけど、商談で疲れた私はそのまま馬車で爆睡してしまい。


気づくと部屋のベッドで眠ってしまいエセルバート様と過ごす時間はなかったのだった。



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