ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第三部騎士科の道

6.目覚め

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午後の授業は中止となり、ルークは医務室で眠っていたが数時間後目を覚ました。


「うっ…」


「ルーク!」

「ルーク大丈夫とね!心配したっちゃ!!」


泣きながらルークにしがみ付くサブロー。
ユランも安堵の笑みを浮かべていたが、エステルだけは何も言葉を放つことはなかった。


「エステルさん?」

心配になったルークがエステルに声をかける。


「‥‥なさい」

「え?」

小さな声が聞こえるが良く聞き取れなかった。


「どうしたと?エステルさん」


「距離を置きましょう」

「え?」


エステルは唇を噛み締めながらも告げた。


「今回のことは私の責任です。貴方が嫌がらせを受けたのも」


「なっ!」

サブローが驚くもユランはそこまで取り乱していなかった。


「お前への嫌がらせがルークに来たか」

「知っとったと!」

「確信はないが簡単な方程式だ。エステルを直接攻撃するよりも精神的に痛めつける方法に出たってことだ」

現在嫌がらせを受けているが、エステルは自分の力で回避していた。
酷い噂を流されていても本人は気にしておらず、その噂に便乗した生徒はまったく気にしていないエステルに苛立っていた。



(相手は中々頭がいいわ)

ルークを突き飛ばした犯人と黒幕は別にいる。
あくまで自分の手を汚さずに上手く操っているのだから。

「私の所為でごめんなさい」


「エステルさん!」


「ただのクラスメイトに戻るだけです」


寂しくなんてない。

元に戻るだけだ。
この学園に来る前に戻るだけ。


学園に来る前は一人で生きて行こうと決めていた。


(そうよ…元に戻るだけじゃない)


必死で言い聞かせるエステルは医務室を出ていく。


「ごめんなさいルーク」

「おいエステル!」

ユランが止めようとするもエステルは聞かずに医務室を出て行った。



廊下を歩き裏庭を歩く。


「そうよ…罰があたったのよ」

欲張ってしまった自分への罰が当たってしまった。


「私は友人なんて持ってはいけなかった‥‥なのに」

心の中で欲してしまった。


そして知ってしまった。
仲間と笑い合う喜びと幸福感を。


「元になんて戻れるわけないじゃない」


彼等と過ごした時間はとても居心地のいいものだった。


叶うならば卒業まで一緒に過ごしたかった。

もっと親しく交流を深めたいと思っていたがそれすらもできなくなった。



「もう一緒にいられない…でも好都合だわ」

今まで表だって抵抗しなかった理由はが関係ない人に迷惑をかけたくないという理由もあるが、もう一つ理由がある。


彼等に危害を行かないようにしたかったからだが…


「私が甘かったのだわ。ここから容赦しないわ」


ここで泣いて悲劇のヒロインになる気はない。

最初は噂を流した犯人を見つけて学園の膿を正そうとも考えたが、そんな生ぬるいことを言っている状態じゃなくなった。


「ルークに手を出した罪は重いわよ」


氷のような瞳に燃える。


「遊びの時間は終わりよ。ここからは反撃させてもらうわ」


穏便に対処するつもりだったが、ここまでのことをされた以上はそれ相応の報いを受けてもらう。


「利用されていたとしても、許さない」

おそらく駒にとされていた生徒達もいるだろうが、手をくだしたのは自己責任と片付け空を睨みつけた。



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