ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第四部帰省とお家事情

5.三度目の悲劇

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ようやく運が向いてい来たと思った。
旅先で二人の女性にフラれる形になったが、ここでどんでん返しが起きたと思った。



「あの…」

「何か近衛騎士の方が睨んでいるような」

ユランの背後から突き刺さる視線を感じる。
アリスとルークはその殺気に気づき、おかしいと感じる。


「そろそろ止めた方がいいじゃない?」

「止めてどうにかなりますか?」

「ならないわね」

ミシェルはユランを見捨てることにした。


「おい、お前等。何で離れてんだよ?」

「この気配に気づかないお前はやっぱりアホとね」

「は?」

何を言っているんだと思った刹那、背後にいる騎士が剣を抜き振りかざした。

「わぁぁぁ!」

しゃがんだおかけで首と胴体が切り離されることはなかった。


「今すぐ奥様からその手を離せ」

「え?」

「無礼者が!」

数名の近衛騎士に剣を向けられる。

「えええ!」

何故自分は近衛騎士に殺されそうになっているのか。


「おいエステル!どうなってんだよ」

ユランがエステルに問うがさらに殺気は悪化するばかりだった。


「お嬢様に何という無礼な!」

「へ?」


ユランはこうなってようやく気付く。


「アンタ本当に馬鹿ね?近衛騎士第二団長の奥方を口説くなんて自殺行為よ」

「おく…が…た」

真っ青になるユランがようやく自分の行いがどれほどの無礼か思い知る。


「初めまして、娘がお世話になっています。母のヴィオラと申します」

「父のロバートです」

(既婚者だったのかよ!)

見た目からして若く見える。
それに一児の母にはどうしても見えない程に美しいので気づかなかった。


「大変お若くお美しいので…」

「光栄ですわ」

「中々楽しい友人だね、エステル」

ロバートは咎めることもなく笑っていたが、部下達はそうもいかない。


「団長!何を呑気なことを」

「奥方様に不埒な行為をしたのですからここで首を撥ねるか直ぐにギロチンです」

「いや、火炙りだ。奥方様に手を出すなど重罪だ」


ロバートは許す気だが忠実な部下は極刑を望んでいた。


「ちょっ…お前等!」

ユランは助けを求めようとするが、誰もが知らない振りをした。


「見てください、素敵なケーキ屋さん」

「本当ですね。すごく美味しそうです」

「俺は肉が食いたいと…」

「パンケーキが先ですよ」


完全にスルーしている。


「薄情者!!」

頼みの綱はエステルだと思い助けを乞うが、ユランに投げかけられたのは残酷な一言だった。



「一度死んで出直しなさい、この馬鹿」

「ユラン、ご愁傷様」

「お前等!!」


助ける気は一切なかった。



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