ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第四部帰省とお家事情

17一歩先

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エドワードの乱入でさらにややこしくなってしまった。


「君達は?」

「えっ…あっ…あの!」

「挨拶ばせないかんやろ?」

既に焦り始めたサブローは訛りが出だし方言も出てしまった。


「サブローっちよかましゅ!!」

「えっ‥は?」

やっちしもた!やってしまった!)


困惑するエドワードにしまったと焦りまくるがその所為で共通語が話せなくなる。

(こっ…言葉がでんと!!)

どうしたらいいのかしどろもどろになる。


「サブローさん落ち着いてください!」

このままでは不敬罪になると焦るジークフリートは眼鏡を拭いて落ち着かせる。

「お前が落ち着け、それは布じゃなくて植木鉢の葉っぱだ!!」

「ユラン、無理よ」

「そうだ!こんな時こそ貴族のルークが…って!何やってんの!!」

壁の隅っこで体育座りをしてのの字を書いて何かブツブツ言っている。


「どうしょう…王太子様に無礼を…もう終わった」

「こら!帰って来い!!」

貴族といっても階級があり、ルークの実家は子爵家である為王族に直接会うことはまずない。

遠くから拝見する程度だ。
しかも爵位を得ていないルークが王族に言葉を交わすこと自体ありえないので完全に怯えている。

サブローに至っては、失礼なことを言ってしまったら故郷に残して来た家族の首が飛ぶのでは?などと思っている。


(完全に怯えているわ…どうしよう)

ここで普通にしろと言うのが無理な話だ。
背後で近衛騎士が威嚇するような視線を送れば尚の事だった。

(どうにかしないと!!)

ガブリエルにいたっては論外だ。
彼女も王族の親族に値するので無理だろうし、この状況を楽しんでいるようにも見える。

困り果てるエステルだったが、隣にいたクロードが前に出る。


「怯えなくてもよか」

声のトーンを柔らかくしサブロ―に告げる。

「「「え!」」」

クロードがサブローの故郷の方言を言い驚く一同。


俺達おいだんお前にしゃに危害ば加える行為は絶対にしないとせな誓う。だから落ち着いてくれ」



「えっ…なん?」

「俺は嘘はつかないぜ」

「あっ…はい」


大人しくなるサブロー。
クロードの口から方言が飛び、一同は絶句する。


「クロード様」

「こっちの方が安心するだろ?エドワード、今すぐそいつらをどうにかしろ」

「申し訳ありません


「「「兄上!!」」」


「だから地雷を踏むなって言っているだろう」


兄上と呼ばれて一同はさらに驚くがクロードは続ける。


「気にするな俺は王族と言っても王位継承権はないし、形だけだ」

「クロード様!」

「できたら気軽に接してくれる方がありがたい」

ミシェルは未だに卑下する発言をしたクロードに痛々しさを感じるが本人はそこまで気にしていない。


「それよりも俺は火の国が好きでな…色々教えてくれ」

「任しぇてく…任せてください」

「別に無理をしなくていいぞ。こっちの方がいいやすいだろ」

クロードの気遣いにサブローは涙した。

「兄貴ぃぃぃ!!」

「ちょっとアンタ!馴れ馴れしくクロード様に抱き着いてんじゃないわよ!!」

さりげなく私のをつけるミシェルは無理矢理サブローを引きはがす。


「私だって抱きしめたことがないのに!!」

「嬉しか!」

「きぃぃぃ!!許せない!私の王子様に!!」

クロードの機転により一瞬で空気は変わったのだがややこしいことになった。


(それにしても…)

この状況で直ぐに対応できるクロードの機転の速さに驚く。

僅か一年でここまで買われるのかと思ったが、クロードの努力の賜物であることは直ぐに解った。


(ずっと先の方にいらっしゃるのね)

追いつこうと必死に走って来たのに、クロードはエステルよりもずっと先の方にいた。

少しでも追いつこうとしても、追いつかせてくれない。


それが悔しくも寂しくもある。


「なんだエステル?」

「なっ…なんでもありません」

全てを見透かすような瞳を向けられ急いで視線を逸らせてもクロードにはお見通しなので悔しいと思った。


「とりあえず茶を飲みに行くか。サロンなら金の心配はない。気も使わないからな」

アリスとサブローのことも考慮してできるだけ気軽なサロンを提案し移動しようとした時だった。


「お待ちください!!」


入口先が騒々しく感じた。


「何です?騒々しい」

「またか」

クロードが舌打ちをする。


「無礼ですわよ!」


甲高い声が大聖堂に響き渡り、一同は顔を顰める。


「アルスター伯爵令嬢!!」


騒ぎの場にいたのはヘレンだった。


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