ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第四部帰省とお家事情

50.威圧感

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エステルは幼い頃から両親にあそこまで嫌われていた理由が解らなかった。

好かれていないとしても、どうしてあそこまで忌み嫌うのか。


「アルスター家には特徴があってな」

「特徴?」

「そうじゃ、中でもアルスター家の血筋が濃い人間は精霊の加護を与られる」


精霊の加護を与えられる一族は多くない。
特に四大精霊の恩恵を受けるにあたる血筋も重要でった。

理由としてはその家の先祖。

初代当主が精霊と絆を結んだゆえに、未来永劫精霊達は加護を与える約束をした。

子々孫々手助けする誓いを果たして。

「そなたは水の精霊と風の精霊の恩恵を貰っているな」

「はい」

「そなたの父が水の恩恵を授かる故にじゃ…母親が風故にな」

「はい?」

何を言っているのだろうか。
確かにラウルは微弱であるが水属性の魔力を持つが、高位精霊との契約を結んでいない。

ジュリエッタが魔力を持たず、精霊の恩恵すら受けていない。

「そなたはこの二人の子ではない」

「えっ…」

  ドオナルドの言葉に絶句する。
貴族達はざわめき動揺し狼狽えていた。


「何を言っておられるのです?エステルは…」

「そなた、本気で言っておるのか?」

何を馬鹿なことを言っているのだろうかと思うラウル。

「元老院様ともあろう方が何を…」

「ほう?そなたは本当に気づいていなかったか。これは滑稽じゃな」

本当に何も知らないラウルに他の元老院が口を挟んだ。


「見てわかるだろうに、この二人に一切似て要らぬわ」

言葉を放ったのは、ロドリゲス・カロリア。
中級貴族でありながらも、元老院という地位に昇りつた実力者。

神殿にも顔が聞く大賢者とも呼ばれる人物。


「親と子ならば多少は似通うが、まったく似ていないだろうが」

呆れたように言い放つのはもう一人の元老院であり、元は王族の指南役を任された近衛騎士将軍のアンドリュー・フェルザ。

アルカディア一の剣の使い手であり。
既に高齢であるにも関わらず未だに彼に敵う剣士はいな程。


彼等元老院は別名宮廷三師と呼ばれ。
王ですら頭を下げる程の偉業を成した人物で、彼等がいなければ国が亡びるとも言われる程の力を持つ。


故に彼等の発言力は絶対的だった。


「何を根拠にそのようなことを…」

冗談でも許されることではない。
ラウルはまともに寄り合うことはしない。

寧ろ元老院を馬鹿にしていた。
いくら影の王と呼ばれようとも、老人なのでついに頭がおかしくなったと心の中で見下し馬鹿にしている。

それこそが愚かだと言うのにだ。

「根拠も証拠もあるわ」

「二年前にエステル殿の出自を疑ったとある方がいてな。その方が鑑定し直せと申したのだ」

「とある方?」

「ただしその鑑定には時間がかかるがようやく今しがた終わったのだ」

笑っているが目が全く笑ってない。
エステルは冷や汗を流しながら、恐ろしく感じた。


そして同時に理解した。

元老院は年齢こそ高齢であるがまだまだ現役なのだと。
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