ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第四部帰省とお家事情

53.結果

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大勢が見守る中鑑定は行われる。


「きゃああ!!」

「ヘレン!」

ジュリエッタと同じように静電気が流れだし、さっきよりも強く弾かれる。


水晶玉は床に転がり、黒く澱んでいた。


「これは…」

「アルスターの紋章どころかオーラすらないとは」

ラウルは目を疑った。
いくら魔力が無いと言えど、アルスター家の家紋が浮かばないとはどいうことだ。


血を受け継いでいるならば紋章が浮かぶはずだ。


「これが結果じゃ。そなたとエステル嬢は血の一滴たりとも繋がっておらぬ」

「そんな馬鹿な!」

「ではそなたも鑑定して見るが良い」

どうしても信じられないと思ったラウルに告げるドナルド。

「貴方、もうおやめください。こんな茶番劇に」

「何が茶番劇だ。私が鑑定すれば解るのだろう?ならば…」

「貴方!」


水晶玉に触れて鑑定を行うと、紋章が浮かび上がりわずかだが淡い藍色に水晶が染まっていた。


「何故…」

「答えは簡単ですわ」

「母上!」

ガブリエルは眉間に皺を寄せながら告げる。

「ヘレンが貴方の子供ではなく他の殿方の間に生まれた子供だからですわ」

「なっ!!」

「何をおっしゃるのです!」


ガブリエルに聞かされた事実に唖然とする。


「そしてエステルもまたジュリエッタの子ではありません」

「お義母様!」

「エステル、気づいていたのでしょう?」


顔を俯かせるエステルに問いかける。

「エステル…」

クロードがエステルの手をそっと握りながら告げる。


「はい…気づいていました」

「どういうことです。私は…」

「本当に気づいていなかったのですね…なんて愚かなのでしょうか」

ラウルを見ながら心底幻滅したガブリエルはさらに冷酷な一言を告げる。

「他所でこさえた子供を我が子と信じるとは、なんと愚かなのでしょう」

「母上…」

「ですが、エステルは正真正銘アルスター家の娘ですわ」


二人の子供ではないが、アルスター家の子供だと言う証明は鑑定結果で証明されたのだ。


だが、そうなるとエステルは誰の子なのか解らなかった。
ジュリエッタが他所の男との間に生んだのではないならば、父親は誰なのか。

母親は誰なのか疑問が残る。

「そなたの母親はヴィオラ殿じゃ」


エステルの問いに答えたドナルドだったが、その真実はあまりにも衝撃的だった。

エステルは勿論だが、ヴィオラも驚いていた。

「えっ…」

「それは一体…」


二人はドナルドを見つめるとため息をつきながらゆっくりと話し始める。

「すべては十五年前の事件が始まりじゃ」

「十五年前?」

「そうじゃ」


決して明るみになることがない影に隠された哀しい事件を紐解かれることになった。


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