ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第五部見習い騎士

13配属

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見習い騎士としての配属先が決まった。
成績の順でエステルは第一騎士団に配属となった。


「残念だったなエステル」

「ユラン?」

「親父さんの所の配属が良かったんじゃねぇか?」

ひょっこり顔を出すユランは笑いながら言う。


「いいえ、むしろ好都合だわ」

「へ?」

「より厳しい環境の方が勉強になるし、第一騎士団の手腕をモノにしてみせるわ」

身内に甘すぎるロバートは役職に関しては別だと思っているが、いざ娘を前にして普段のようにできるかと言えば断言できないし。


第二騎士団の騎士達を幼少の頃から見て来たので盗むことはすでにできている。

「武闘派の中の武闘派と言われる彼等の剣術をしっかり盗むわ」

「おいおい…そこかよ」

ユランは軽い冗談で言ったつもりだったが、エステルに通じるわけもなく本人は真面目だった。


「馬鹿ユラン、余計なことを言ってんじゃないわよ」

「そうですよ。不謹慎ですよ」

「アホ」


誰もがユランに厳しい言葉を浴びせる。


「お前等、そんなに俺が嫌いなのか!」

「今更よ」

「ヒドッ!!」


ユランに対してあたりが厳しいのは今に始まった事ではない。


「そういえばミシェル様とアリスは」

「私が宮廷師団以外の配属になるはずないでしょ!!」

胸を張って言い切るミシェル。
魔術科でも優秀な生徒の配属先は宮廷師団となっているのだが…


「アリスが第一師団でお前第四師団じゃねぇか」

「絞め殺すわよ!!」

「ぐぇ!!」


瞬時にロープを取り出し首を絞めるミシェルに待ったはない。


「何で私が小娘よりも下なのよ!!納得できない!」

実はミシェル、第一師団を狙っていたのだが、実技試験でアリスに負けてしまった。

ここ二年でアリスは魔力を底上げしていた。
実技試験では常にトップをキープし尚且つ学科もトップクラスで魔術科の首席を独占している。


「すいませんミシェルさん」

「謝ってんじゃないわよ!余計にむかつくわ!」

八つ当たりにアリスの頬を思いっきり摘まむ。

「いひゃい…」

「こんな小娘に後れを取るなんて!!」


何事も常に全力がモットーなミシェルは悔しくて仕方なかったが、口に出す程怒ってない。


「いいこと?田舎出身の馬鹿貴族に遅れを取ったら私の子守歌で殺すわよ」

「え…ええ!!」

深海に響く悪魔の子守歌。
それは美しく甘い歌声で最終的に眠りながら息絶えたと言われる。


「アリス、ミシェル様は頑張れと言っているわ」

「はい?」


「貴方はそんじょそこらの貴族出身の魔術者とは違う、臆することなく挑んで勝ちなさい。貴方は私のライバルなのだから…と言ってるわ」


解りにくいミシェルに対して丁寧に通訳する。


「いや、今のをどうしたらそんな解釈になるんだよ!」

「流石エステルさん!」

「ルーク、お前もいい加減目を覚ませよ!!」


拍手を送り涙目のルークはいい加減に現実を見て欲しいと思うユランだが、無理な話だった。


「流石エステルさん!」

「お前もかよサブロー!!」

「ふむ、なかなかの解釈ですね」

「バカしかいねぇのかよ!」


サブローだけならばまだしもジークフリートまでの賛同し、ユランは今日も意味のない突込みをしていた。



こうして王都に向かい期日は三日後に迫っているのだった。

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