ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第六部貴方に捧げる薔薇

23.給仕係

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何故か給仕役を任されたユランはクロードだけでなくモントワール侯爵夫人にも使い倒されていた。


「なんでだ!」

「お黙りなさい、給仕パシリ

「俺はパシリじゃねぇ!!」


モントワール侯爵夫人は容赦なくお茶会の準備にお菓子の用意もユランにさせる。

「飾りつけもしっかりするのですよ」

「何で俺?侍女がいるだろ!」

「侍女よりも貴方にさせる方が手っ取り早いでしょう?」

(そんな理由かよ!)

蛙の子は蛙と言うことわざを思い出すユラン。
クロードの俺様的な性格は間違いなく母親に似違いない。


「何で俺が…」

「あら?嫌ならいいんですのよ?勤務中に貴方がこんな本を見ていたのを貴方の上司に話しても」

そう言いながらとり出したのは…

「女医と患者の…」

「わぁぁぁ!やめてぇぇぇ!」

王都で流行している男の聖書エロ本だった。


「ならよろしくお願いしますね」

「紅茶には必ずレモンを淹れるんだぞ」

「くっ…」


ユランは逆らうことすら許される泣く泣くお茶の用意をする。


「あの腹黒親子が!」

文句を言いながらカップを念入りに磨く。
相手は王の寵妃と第一王子なので、逆らうなんて選択肢はない。


「‥ったく、何で俺がこんなことを」

「ユラン様、お茶の方が私が…」

「あ?別にいいぜ?俺が淹れるし」


傍に控えていた侍女がお茶を淹れるのは変わると言うも、任されたのはユランなので断る。


「いいえ、ユラン様はお菓子の方をお願いいたします」

「別に、たいして変わらねぇだろ」

やけにしつこいと感じる。
お菓子とお茶を一緒に用意すればいいだけの話だ。


「にしてもこの紅茶、やけに葉が不揃だよな」

「ユラン様、あまり蓋をあけたままにしては湿ります!」

蓋をあけてのぞき込む。
今までお茶会を何回かしたが、随分と不揃の茶葉に色が違う葉がある。


「ロイヤルファミリーのお茶会に使うのか?」

「こちらは、殿下が態々取り寄せた品ですから…」

茶葉の入った箱を取り上げ急いで蓋を締める。


「フーン…なんか別の葉が入っているみたいだな」

「それは…ブレンドティーですから」

「まぁ、俺は紅茶にはあまり詳しくてねぇし」


お菓子の用意をしカーゴに乗せて確認をする。

「どうぞ…」

「ああ、悪いな」


侍女はお茶の用意をし、隣には銀色のカップに紅茶を注いだ。


「色は問題ねぇな?まぁ、その前に無理矢理突っ込まれしな」

「はい、問題ございません」

侍女はナフキンの用意をし、配置に置く。


「私は、お代わり用のお菓子とお茶の用意をして参ります」

「ああ、悪いな」


結局侍女がお茶の用意をし、ユランはカーゴに乗せて運んで行った。


(なんだぁ?)


この時ユランは侍女の様子がおかしいと感じた。


(あんな侍女いたか?)

見覚えのない侍女に違和感を感じながらも急いでお茶を運びに行った。
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