ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第七部可憐な皇女と聖騎士

26.父、激怒

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背後から飛んできた南国果実。
別名パイナップルを顔面にぶつけられクロードは怒鳴る。


「誰だ…!なんだこりゃ!」

地面に落ちているパイナップルを拾おうとするも、背後から絶対零度の冷気を感じる。


「殿下、何をなさっているのですか?」

「げっ、ロバート!」

静かな怒りを抑えるロバートに怯えるクロード。
背中には大量のパイナップルを背負っておりかなりミスマッチだったが、凶器にもなりえる。


「待て待て!投げるな!」

「死んでください」

「いだっ!!やめろって!!」

剛速球でパイナップルを投げる。
エステルに当たらないように狙ってクロードの頭や下半身を当てようとするあたり質が悪い。


「お嬢様、こちらに」

「え?クニッツ?」


いつの間にかクニッツが、上着を被せお姫様抱っこで連れ去る。

「おい!」

「汚らわしい手でお嬢様に近づくな」

一応王族であり第一王子であるクロードにしたいして失礼極まりない。

「俺はお前よりも遥かに身分が高いんだがな」

「関係ありません。死刑でもどうぞご自由に」

(コイツ!)

エステルを守って死ねるなら本望とでも言いたげだった。

逆に言えばエステルを守る為なら不敬罪上等のクニッツに腸が煮えくり返っていたクロードだったが、目の前に羅sボスがいるのでそちらを何とかしなくてはいけない。


「殿下、嫁入り前の娘を襲うとはどういうことでしょう?」

「おい、剣を突きつけるな!しかも魔法を発動して俺を殺す気か!」

既に全開モードとなっているロバートはクロードを八つ裂きにする気でいる。


「私の娘に乱暴するなど、万死に値します。例え火炙りの刑になっても許しません」

王族を傷つければどうなるかなんて、ロバートが知らないわけではない。
だが、溺愛する娘に乱暴する男がいるならば戦う気でいるロバートは王族であっても容赦なかった。


「待てロバート!!」

「カミュ…」

暴走したロバートを抑え込むようにカミュが腕を掴む。


「閣下!」

「お前達!この馬鹿を抑え込め!」

「「はい!」」

セスとエーファは急いでロバートを抑え込むも魔力が強すぎて抑え込むなんて不可能だった。


「寒い…寒いです」

「一瞬で氷の世界に」


あたり一面、冬景色となってしう。


「馬鹿!魔力を抑え込め!」

「そうだ、魔道具で…」

エーファは魔力を抑え込む魔道具をとり出そうとするも。

「壊れました…」

「えええ!」

涙目で魔道具が魔力に負けて木っ端みじんとなる。

「そんなぁぁぁぁ!」

「泣くなエーファ!」

目の前で粉々になっている魔道具はランクBレベルでかなり高価なモノだった。
中級貴族が買うにしても苦労する代物で、エーファは絶望する。


「とにかく俺の魔力で抑え込み」

剣をロりだし魔力を込めようとするも。


パキン!

「家宝がぁぁぁ!!」

一瞬で真っ二つの家宝にセスが絶望する。


「なんて恐ろしい男だ、俺の部下の心をへし折るどころか木っ端みじんではないか」

泣き崩れる部下に冷や汗を流すも、氷の世界は一定の場所で留められていたのはカミュの結界魔法のおかげだった。


「このままでは冷気が外に出てしまう」

なんとかしなくてはと思うも、魔力に相性がある。
カミュの属性は炎だが、限度がある。

冷気を抑え込んでもこれ以上力が強くなれば抑えきることができず最悪の場合どうなるか。


「こらロバート!落ち着け!」

「カミュ、死にたくなかったら去れ」

「お前は王宮を永久凍土にする気か!」

近衛騎士に配属される者としてあるまじき行為だと反論するも。

「問題ない、私とて騎士の端くれだ。そのようなことをするか」

「現在進行形でしているんdな!この馬鹿!」

「悪を滅したらすぐに魔力を抑え込む」

遠回しにクロードを始末すると言っているようなものだった。


「俺は悪魔かよ!」

「ご冗談を殿下。悪魔の方がまだマシですよ」

(コイツ…)

さらりと真顔で嫌味をいうクニッツにさらなる怒りを覚えるが、今はロバートを説得するのが先だった。


「落ち着けロバート!」

「私は十分冷静です」

((嘘つけ!!))

カミュとクロードは心の中で叫ぶ。
普段の温厚なロバートは何処にもおらず完全に我を失っている。


「くそっ!結界が維持できん!」


「閣下!何の為の上司ですか!なんとかしてくださいよ!」

「無理を言うな!」

悲鳴をあげるエーファにカミュも流石に無理だと怒鳴り返そうとした時だった。


壊れた結界を外から光が包んだ。


「これは!」

氷の世界は一瞬で消え、元に戻ったのだった。

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