ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第十学園祭の騒動

5.準備期間

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騎士科は喫茶店をすることになり、魔法科では演劇をすることになっている。

学園祭で優秀賞を授与されると、学園側からご褒美が貰えるので生徒達も必死で取りくんでいた。


「準備は着々と進んでいるな」

「ええ、問題ないわね」

生徒会役員として、学園祭の出来具合を見ている最中だった。


「それで、何でそんなに着飾っているの」

「何故って後夜祭の為だぜ」

「まだ、諦めてなかったの?」

「当然」

ドヤ顔をで言うユランを心から哀れに思う。
ジョセフィーヌに捕まり必死で逃げて来たユランだが、最終はまた捕まる。

逃げて捕まって、逃げて捕まっての繰り返しだろう。


(本当に諦めが悪いわね)


憐れむような視線を向けるエステルだったが、内心で思う。


ジョセフィーヌのことはさて置き、他に想いを寄せる人はいないのだろうか?


普段からチャラチャラしているようで実は真面目だった。
ナンパをしながらも、女性に対して不義を働くようなことはしないし、相手がいる女性に手を出すような真似をしたところを見たことがない。


学園に入ってすぐの頃は孤立していたが、ユランは常にエステルの側にいた。
聖職者や教師たちの悪事を暴くために一番の功労者だったユランは損得関係なく協力してくれた。


(思えばユランが初めてだったのよね…)


これまでの道のりを思い返すとユランにどれだけ助けられただろうか。

学園での時も、王都に戻り元両親に糾弾されそうになった時。
クロードの殿ことで幾度なく悩んだ時も、常にユランが傍にいてくれた。


「ユラン…」

エステルは声をかけようとしたが、既にユランはいなかった。


「はぁーい!お嬢さん、俺と一緒に後夜祭で踊らない!!」


「ユラン」


既に女子に声をかけている。


(やっぱり馬鹿だわ)


少しだけ素直になってユランに想いを寄せる女性はいないのか聞こうとした馬鹿馬鹿しくなった。


「ユランさん!貴方は仕事をサボって何をしているんですか!」

本を抱えたまま怒るジークフリートが呑気にナンパをするユランに怒っていた。


「相変わらずの病気じゃ」

「サブローさん、折角ですから貴方の技をかけて差し上げてはいかがです?」

「良かよ?ただ使い物にになくなっても良か?」

握りこぶしを突き出し魔力を込めるサブローは一発で仕留める気でいる。


「学園祭が終ってからにしてください」

「おう」

学園祭が始まるまで準備期間は後一週間となっていた。


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