ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第十学園祭の騒動

6.我儘放題

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文化祭前夜、すべての調整を終えたはずだったのだが。
ここでアクシデントが起きてしまった。


舞台公演をする科や届け出をした団体が舞台を使う為に時間を希望して調整するのだが、問題が生じてしまった。


「ちょっと、この時間の舞台は私が使うことになっているのよ!」

「ですが…」

「何で被服科が最後なのよ!大体所要時間が私の所が一番短いじゃない!」


問題を起こしているのは言うまでもなく、アリアナだった。
側には取り巻きらしき者もいるのだが、他の生徒は迷惑そうな表情をしている。


「おい、今度は何だよ」

「舞台の順番が不服らしく」

「ハァー…」


舞台を使う科の数を考慮して時間の配分は運営員会が公平に行っている。


とは言え、実績のある科が最優先されるのは当然だった。
舞台で最後に回されると言うことはそれだけ注目度があがるし、権力を持つ商家やだ貴族の目にもとまりやすいからだった。


その最後に選ばれたのが主催者のミシェルと被服科だった。


「ちゃんと申請してなかった癖に後から煩いわね?本当に子供だわ」

「申請の時に時間の希望を出されなかったんですか?」

ミシェルが呆れながら、冷めた目で言い、アリスも手厳しい言葉を浴びせる。


「そんなの知らないわ」

「授業サボりまくってオリエンテーションも参加してないからじゃない?ああ、アンタは男の後を追いかけるので必死だったものね?当日の男と乳繰り合ってたら?」

クスクス笑うミシェルにアリアナは震えるも、他の生徒も似たような噂をする。


「この人本当に聖女?」

「噂では聖女じゃなくて性女じゃないかって言われているわ」

「男性を侍らせてはしたない…」

ヒソヒソ囁く声はばっちり聞こえておりアリアナは睨みつけ声を荒げようとする。


「ふざけんじゃないわ…もご!!」

運営委員に八つ当たりをして殴りかかろうとした時だった。

アリアナの口を塞いだのは糸だった。


「え?」

天井から吊るされた糸に気づき一同はユランを見る。


「何で俺を見るんだよ!知らねぇよ」

ブンブンと頭を振るもエステルは真剣な目で告げる。


「糸と言ったら?」

「ジョセフィーヌ」

「ジョセフィーヌと言ったらユランさんです」

「ユランと言ったらジョセフィーヌと」


うんうんと頷く。
ユランと糸は切り離せないのが暗黙の了解だったのだが、糸が違うと思った。


「この糸…」

エステルには覚えがある糸だった。


「きゃあああ!!」

その後直ぐの事だった。
糸を伝って降りて来たのはキャタピラー達だった。


「うわぁー…何で野生のキャタピラーがいるんだよ」

「ええ」


茫然と見つめていると、キャタピラーの群れと一緒に降りて来た一回り大きなキャタピラー。


「ナポレオン?」

首にリボンを撒いたキャタピラーを見て気づいた。


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