ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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第十学園祭の騒動

13.地震

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使われていない旧校舎に連れ込まれたエステルだったが、違和感を感じていた。


「クロード様」

「お前も感じるか…なんだ、ここは」

クロードもこの旧校舎から感じる強大な魔力に立ち止る。


(ここ…知っている)


旧校舎の奥深くに入って行くと、今は使われていない教室がいくつかある。
精霊が住み着いているわけでもないんだが、瘴気がこもっていた。


「エステル?」

「ここ…この感じを私は知ってます」


いい意味ではなく悪い意味でだった。

奥へ奥へ進んでいくと礼拝堂が見えた。


「待てエステル…あまり奥に進むと」


礼拝堂には灯りがついておらず、足場が危なかった。

クロードは直ぐに蝋燭に火をつけるが、エステルは暗がりの中ゆっくりと祭壇の方に歩いて行く。


ドクン…ドクンと胸の鼓動が聞こえる。


その時だった。


「エステル!!」

「きゃあ!」

地面が揺らぎ、地震が起きる。
クロードはエステルを抱きしめながら倒れこむ。


「何だ?地震にしてはおかしい…」

「どうなって…」

「伏せろ!」


地震の所為で本棚が倒れて来る。


瞬時にクロードは結界を敷くも魔力が発動することがなかった。


「結界魔法が使えない」


「一体どうなって…」


この建物全体に仕掛けがされていた。

「エステル、動くなよ」

「はい」

地震が止まるのを待ちながら、エステルはクロードにしがみつく。

(おかしいわ…精霊の気配は感じない)

この時期にいきなり地震が来るのもおかしな話だが、この場所に地を司る精霊もいない。

(魔力が暴走している?)


この揺らぎは魔力と魔力がぶつかり合っているようにも思える中、微かに感じた黒い霧。


(窓の外に黒い霧が…)


呪詛を仕掛けられた時と同じような現象に気づく。

これは自然に起きたものではない。
誰かが故意的に起こしているものだと気づく。


「クロード様」

「この地震は天災じゃない…誰かが禁術を使っているんだ」

「それって…」

「こんなくだらないことをするような奴は限られている」


まるで身に覚えがあるような言い方だった。


「王都で何度か地震が起きていた…その現象に似ているんだ」

ぽつりと呟くクロードにエステルは言いようのない恐怖を感じていた。


誰かが見ている。


誰かが何かを仕組み悪事を働こうとしているのは確実だった。

その正体はすぐそこまで近づいていた。

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