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閑話エドワードの狂詩曲
12.毒殺事件
しおりを挟むその日晩餐会の準備で王宮内は慌ただしかった。
数か月に一度行われる晩餐会は代表貴族が参加する重要な行事だったのだから。
貴族派と王族派の貴族を交えて食事をしながら今後の改革などを議論し合う大事な席であり、その席には国の要人が参加していた。
食事も毎年決まったモノを用意していたのだが、この日だけは違った。
「そのワインは…」
「本日の為に公爵様御用してくださったものです。大変貴重なワインだと」
晩餐会では基本、赤ワインを用意することになっていたが、今回は違っていた。
「白ワインか…」
「お食事の後にお菓子とお茶を仰せつかっております」
「何?」
侍女が用意しているのは柑橘系の紅茶だった。
「晩餐会の後にはお茶など…」
「最近は社交界でお酒よりもお茶を好む貴族が多いようで…年配の方も参加される故の配慮かと」
侍女は特に不振がることもなく淡々と告げるも、エドワードは違和感を感じる。
「お菓子は食後に出してほしいとのことですがいかがいたしましょう」
「解った…」
今までの晩餐会にお茶を挟むなんてことはなかった。
食後もアルコールの少ないお酒を用意し、お菓子はマカロン等を用意していた。
(念のために用心しておくか)
通常、王族や高位貴族の食事にはお毒味役が存在する。
この日だけは用心するべくエドワードは食器にも気を配らせ、毒が混じっていないか確認をした。
本当は毒を映し出す食器を用意したかったが、お菓子を用意した公爵家との関係を考慮した結果。
通常の容器を使用することにした。
それがすべての間違いだったとも知らず、事件は起きるのだった。
「きゃあああ!!」
「毒が…ワインに毒が!」
晩餐会の席にて一人の貴族がワインを飲み吐血する。
「うっ…ぐっ!!」
食事を終えワインを飲んだ貴族が吐血した。
「すぐにワインを調べるのだ!!」
吐血し倒れた貴族派すぐに解毒剤を飲まされ死に至らなかったが、王族の食事の席で毒殺事件が起きたことにより騒動が起きた。
「誰がこのような真似を!!」
「王族を暗殺しようとした者がいる…直ぐに調べよ!」
混乱する中、バルトーク公爵率先して侍女達に指示を出し、出された食事を調べるように告げたが毒物は見つからなかった。
食前酒や食事には毒は検出されることはなかったが…
(おかしい…毒味役はなんともなかったはずだ)
食事に出される水から食前酒に、食後に出されるお菓子に至るまでお毒味役が毒味をしたのになんともなかった。
調査が進められ一週間後、意外な人物が容疑者としてあげられた。
ワイン樽を保管していた蔵に落ちていたと思われるハンカチに隠されていた毒物の薬。
薬の出どころまでは解らなかったが、既に裁判に持ち込むまでもなく投獄されてしまった。
その人物は――。
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