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閑話エドワードの狂詩曲
18.過去と現在
しおりを挟む過去を思い出しながらエドワードは胸元の鍵を強く握りながら旧校舎を見上げた。
(鍵が反応している…ここだ)
遠い昔の事のように思えるが、昨日の事のように思い出せる。
大切な人を失い、どれだけ悔やんだことだろうか。
(あの後アントワネットは処刑された…けれど僕は彼女の死を知らない)
逆行する前の時間で王妃は処刑されたが、立ち会うことはできなかった。
「…さま…エドワード様!」
「アリス?」
隣で名前を呼ばれてハッとする。
黙ったままのエドワードを心配するアリスに気づく。
「大丈夫ですか?先程から顔色が悪いようですが」
「ああ…大丈夫だ」
鍵が反応しているからなのか。
それとも旧校舎事態に何かあるのか解らないが長い夢を見ていた気分だった。
「少し夢を見ていた」
「夢ですか?」
「ああ、できれば二度と見たくない夢だ。僕を苦しめる悪夢だ」
見たくないと思っても天は忘れるなと言う様に悪夢を見せる。
その所為で決して過去を忘れることはない。
「悪い夢…私も夢を見ました」
「アリスも?」
「はい、私の夢ではないんです。私の達せつな人が苦しむ夢…その夢が現実になるかもしれないと思うと恐ろしくて仕方なく」
震える手をそっと握りしめるエドワード。
(彼女は聖女候補だ…もしかしたら記憶を見たのか?)
聖女の伝説は塗り替えられている。
真実はとても残酷なモノで、まだ幼い少女が見るにはあまりにも残酷なモノだった。
(できれば誰も巻き込みたくないが…)
すでに歯車は動き出し、止めることは出来なくなっている。
待っている未来は希望か、絶望かは解らない。
だが、着実に動き出している。
(なんとしても守らなくてはならない!)
鍵を握りしめ、この運命を回避する為にも。
そして女神、ローレライとの約束を守る為にもエドワードは逃げることは許されない。
「行こうアリス」
「はい」
二人は旧校舎の中に入り、エステルとクロードの元に向かった。
二人が入り口に入る瞬間、黒い影が動き出していることに二人は気づかずに旧校舎に足を踏み入れる。
運命の時は、刻一刻と迫っていた。
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