ある公爵令嬢の生涯

ユウ

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最終章運命の先

閑話3.不運な出来事➁

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現在ヒューバートは礼拝堂に入る前に赤いマントを身に着けていた。
今日の為に新調し、正装でエルキネスへの祈りの為に色々新調した自前の衣装だった。


しかし相手は魔牛だった。

「モォォォ!」

「何だ貴様…やめんか!」


ものすごい速度でこちらに向かってくる魔牛は目を赤く光らせ角を向けて走って来る。


真っ赤なマントを見て狙っている。

「牛風情が!」

マントを取り、ヒューバートは片手に剣を持っている。

「ならばこの天才剣士ヒューバート様が相手をしてくれるわ!」


(やるようだな)


礼拝堂からアルフォードが見守るも…


「この足について来れるか!」


「戦うんじゃないのかよ!!」

「馬鹿め、勝ち目のない相手と戦うのは未熟者がすることだ!勝てないなら逃げるのだ!」

偉そうにかっこつけながら言い放ち逃げ回るヒューバートに呆れる。


(コイツ、何でこの学校に入れたんだ…)


学力も剣術も今一つでどうして在学できたのか不思議だった。
あげく騎士として有るまじき行為をしているのだが、何故か魔牛は追いつけなかった。


(何だ?)

後方から魔牛が襲い掛かろうとするもひらりと回避する動きはまさしく。


「闘牛士!!」

赤いマントを片手にひらり、またひらりと避けて行く。

しばらくして魔牛は体力が尽きてその場に倒れる。

「ナーハッハッ!見たか、この俺が在学中に磨き上げた回避スキル!未だ幽霊を回避することは難しいが牛如きを受け流すぐら動作もないわ!ひれ伏すがいい牛共よ!」

(威張るなよ…)


確かにすごい能力であるが、戦士としては恥ずかしいものである。
だが、親玉の魔牛が倒れたことにより、他も魔牛も恐れおののき動きが止まる。


「何だ?消えていくぞ」

魔牛の体から黒い霧が抜けて行き、普通の牛になって行く。


「これは浄化能力…あの馬鹿が使えたのか?」

アルフォードは何故と思った。
魔力も少なく剣術の腕も平均以下であるのに浄化能力を受け継ぐなんてありえない。


(いや、待てよ?こいつは普通に瘴気のど真ん中にいたはずだ)


アルフォードですら体力を奪われるのに対してヒューバートはピンピンしていた。


そうなると考えられるのは…


「こいつ、回避スキルと自己防衛能力が半端なく高い!」


鑑定を行い、ステータスを見ると体力に回復力が半端なかった。


「なんてデタラメなスキルだ。こいつは攻撃能力はダメなくせに相手の攻撃を受けてもダメージは殆どない。ふざけやがって!」


イラっと来たアルフォードは今も調子に乗っているヒューバートに笛を吹く。


「ん?何の音だ…え?」


空を見上げるとさらに魔物が集結していた。


「アルフォード、無事ですか!!」

「アクセレイ」


魔物がヒューバートの元に集結する最中、アクセレイがロバートを担ぎ現れる。


「これは一体…」

「問題ない。しばらくアイツを標的にする。それよりロバート殿を」

「ええ」


背後には巨大な馬を引きつれていた。

「他の皆さんは避難していただきましたが、ロバート殿はどうしてもエステル殿の元に行くとおっしゃられまして」

「まったく仕方ない人だ」


かなりの重傷だったロバートだが癒し魔法を使えば回復はできる。
それだけの魔力を持ち精神力があるからこそ、これでけの重傷を負っても生きている。

魔力と精神力は繋がっていた。


「急いで癒しの魔法で傷を塞ぐ。お前も手伝え…でないと間に合わなくなるぞ」

「ええ」

魔物の標的となったヒューバートはただ逃げ続け校舎を走り回っているうちに学園の魔物が集結していた。




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