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第二章新生活
3.コーデリアの感謝
しおりを挟む段取り良く準備を進め、リリーはドレスの新調をした。
流石にブランドのドレスは作れないが、服作りは得意だったので自分で作ったのだ。
「ジャジャーン!どう姉様!」
「これは…」
「絹のドレスとまではいかなかったけど、ビーズを使って輝きを演出したのよ!」
宝石もないが代わりになる物は沢山ある。
祖父は腕の良い硝子職人で、祖母は機織りの仕事をしているので王宮を出てすぐに身を寄せたのが祖母の元で、そこで針子の基礎を叩きこまれた。
幼い頃から服作りが好きで教え込まれていたが、仕立て屋としての基礎を一から学びなおしたのだ。
「露出どは少なめにしているし、今夜参加する仮面舞踏会はいかがわしいものではなく健全なのだから安心よ!そこで素敵な恋人を作るのよ!」
「恋人…」
「あ、友達でもいいわ。無理しなくていいし」
リリーのぶっ飛び過ぎる行動に驚かされるも、コーデリアは感謝していた。
今日まで生きてこられたのはリリーの支えがったと思っているし、世間知らずなコーデリアはリリーが色々教えてくれなければどうなっていたか解らない。
「姉様、貴族に帰り咲くことだってできるわ。侯爵令嬢とまでいかなくても…伯爵以下なら」
「リリー」
「除籍された貴族令嬢が貴族に嫁ぐことは少なくないって侍女長様もおっしゃったわ。姉様は綺麗だし気立ても良いから…でも、貴族の催すパーティーには参加が難しいから」
この言葉でコーデリアは察した。
あの騒動からリリーは負い目を感じていたのかもしれない。
何不自由ない生活をしていたコーデリアがいきなり平民の生活を強いてしまった事を。
(感謝しても恨むはずないのに…)
あのままされがままだったら、侯爵家から追い出されるか。
高齢の貴族の愛人に売り飛ばされるかのどちらかだっただろうに。
コーデリアは耐え忍ぶだけで自分から行動できなかった。
リリーは自ら動き、血の繋がった両親を切り捨ててまでコーデリアを選んでくれた。
葛藤もあったと思う。
根が優しいリリーは苦しんだと思った。
「ありがとうリリー?」
「姉様?」
「私は貴女のおかげで今、すごく幸せだわ」
好きな本を読んむこともできる。
侍女の仕事は大変だけど、やりがいも感じているし、お邸で家庭教師をしているコーデリアは満ち足りた時間を過ごしている。
「ない一つこの手に残る物はないと思ったけど…私には貴女がいるわ」
「姉様大好き!」
互いに正反対な姉妹であっても大切に思いあう心があった。
二人はようやく本当の姉妹になることができた。
今度こそ幸せになろう。
そう誓い合うのだった。
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