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第二章新生活
10.叔父夫婦の微笑み
しおりを挟むコーデリアとリリーが王都を去って数か月。
王命によりオルフェウスが当主の座につき、兄夫婦を侯爵家から追い出すこととなった。
しかし、二人は何を勘違いをしているのか。
侯爵家に追い出されたというのに、別邸に移り住んで使用人を好きに使っていると報告が来た。
「どこまで恥さらしなのだ」
「どうして侯爵けら追い出されて、侯爵家の所有地を使うのか理解できませんわね」
妻のサブリナも頭が痛かった。
幸いにも別邸を管理している元侍女のダリアがいるので好き放題とは行かないだろう。
「別邸の滞在費は、馬鹿男の実家から請求させる」
「既に此度の一件は耳に入っております。侯爵家との関係を打ち切られているのですから…庇うなんてことはありませんわ」
「庇ったとしても、自分達がどうなるか解っているだろう・
コーデリアの実父の実家。
ポーラスター伯爵家は大貴族ではない。
それなりに名のある貴族だが、侯爵家のような高位貴族に張り合うだけの財産はないのだから。
ポーラスター伯爵は慈善活動をしており現当主はコーデリアの祖母が務めている。
彼女は早くに夫を亡くし、女伯爵としてこれまで貧しい子供達に援助をしたり福祉事業をしていた人徳者だった。
不正を嫌い、不義理な行動も許さない性格だった。
「エリシア夫人が不義を働いた馬鹿息子を庇うなんてことはまずありませんわ」
「…だろうな。既に疎遠になっているし。慈善活動を散々馬鹿にした息子を今さら守るとは思えない。となるとあの女の実家は」
「既に引っ越しをなさっているようです。侯爵家にじゃ要る前からろくに働かずにいたようで」
「似た者夫婦か」
王都を離れる前にリリーは母方の祖父母に一時的に身を寄せ、すぐに王都を出た。
リリーにすべてを聞かされた祖父母は完全にブチ切れ縁を切り下町から引っ越してしまったのだった。
元から親子関係が良くなかったが侯爵家に嫁いでから疎遠になっていた。
侯爵夫人が庶民と関わると外聞が悪いと言うことで、リリーにも合わないように厳しく言っていた。
今さら娘だけ帰って頼っても門前払いになるのは目に見えているし、祖父母はリリーを追い出した事を許すはずもない。
「まぁ、いいのではありませんか?後から寄生虫のように無からがられては困りますし…良き働き先の紹介状も渡して置きましたので」
「確信犯か」
「逃げ道は無くすべきですわ」
美しい笑みの背後からどす黒いオーラが垣間見えた。
貴族籍から除籍され、平民になっただけでなく住む場所を奪われ、頼れる家族もいなければ最悪な末路を辿るのだろうが、身から出た錆であるので二人は同情などしなかった。
案の定、娘を勘当したカルバドスはというと。
「この馬鹿者がぁぁぁ!」
実母にこれ以上無い程怒鳴られ、ボコ殴りにされていた。
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