別離宣言!屑野郎と婚約なんて御免です。お義姉様は私が守る!

ユウ

文字の大きさ
25 / 36
第二章新生活

15.会場で遭遇

しおりを挟む


夕暮れ時、招待客が浮足を立てながら邸に入っていく。
ホスト役でもあるマーガレットは出迎えをするべく大忙しだった最中、リーンハルトは持ち場を離れてパーティー会場に出て来ていた。


仮装する服がないので白衣のままだったが、会場には料理人が料理の追加を運んだりしているので不審がられることはなかった。


(フン、所詮は真似事か)

マーガレットの主催するパーティーの規模は王宮で催されている物に比べれば質素だった。
料理にお酒にお菓子なども庶民的だと思いながら、乾いた喉を潤す為にシャンパンを飲みながら会場を好き勝手に歩く。


(飲めなくはないが、俺の飲むものではないな)

王都を追い出されてからというもの、真面に食事した記憶はない。
日雇いの仕事でも食事は出るのだが、これまで贅沢な食事をして来た所為で平民が食べるパンやスープはまずくて口に合わなかった。


この邸で出される食事は良い方なのに文句ばかり言って賄いを作る料理人達を怒らせてしまっていた。


パーティーの料理だから多少は期待したが、食べながら文句をぶつくさ言う始末だ。


「所詮は平民如きが考えるパーティーか。ワインや肉が少ないじゃないか…オードブルもショボすぎる」


文句を言いながらも、味は悪くなかった。
特にワインと一緒に添えられているスイーツの味が悪くなかったので手が止まらずにいた。



「こんなしょぼいパーティーをしてなんの意味があるんだ?来ている連中も成金の集まりだろうに…アイツらは馬鹿なのか?」

シャンパンをぐいぐい飲んでいると、奥のテーブルで一人の料理人が少女にケーキを切り分けている姿が目に入る。


後ろ姿だけで最初は誰か解らなかったが、すらりと背が少し高く、美しい金髪の髪がに立ち姿が美しく感じた。

(平民にしては悪くないな…)

柱の陰に隠れながら、リーンハルトは退屈しのぎに近づこうとした。



「お嬢さん」

「はい?」

憂さ晴らしにナンパして遊んでやろうとも思い、声を掛けようとした。


「良かったら僕と…」

「リーンハルト様!」

「なっ…コーデリアか!」


振り返った拍子に名前を呼ばれ唖然とした。
仮面をつけているが、すぐにコーデリアと解りリーンハルトは声を上げた。


「なっ…どうしてここに!」

コーデリアはうっかり仮面を床に落としてしまった。




真っ青な表情をしながら逃げ腰になるコーデリアの態度を見てこれまでの苛立ちがこみあげて来た。

(何故こんな所に…俺が惨めな思いをしていると言うのに!)


拳を作り、リーンハルトはコーデリアを殴ってやりたいと思った。

しかしここである考えに至った。


(いや、待てよ…ここでこの女を連れ帰ればいいのではないか!)


考えが浅はかなリーンハルトはコーデリアと寄りを戻しさえすればすべてを取り戻せると思い込んでいた。


そんな真似をしても意味がないのに、自分の都合のいいようにしか考えていなかった。



しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。 「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」 そうですか…。 私は離婚届にサインをする。 私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。 使用人が出掛けるのを確認してから 「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

病弱を演じていた性悪な姉は、仮病が原因で大変なことになってしまうようです

柚木ゆず
ファンタジー
 優秀で性格の良い妹と比較されるのが嫌で、比較をされなくなる上に心配をしてもらえるようになるから。大嫌いな妹を、召し使いのように扱き使えるから。一日中ゴロゴロできて、なんでも好きな物を買ってもらえるから。  ファデアリア男爵家の長女ジュリアはそんな理由で仮病を使い、可哀想な令嬢を演じて理想的な毎日を過ごしていました。  ですが、そんな幸せな日常は――。これまで彼女が吐いてきた嘘によって、一変してしまうことになるのでした。

妹に幼馴染の彼をとられて父に家を追放された「この家の真の当主は私です!」

佐藤 美奈
恋愛
母の温もりを失った冬の日、アリシア・フォン・ルクセンブルクは、まだ幼い心に深い悲しみを刻み付けていた。公爵家の嫡女として何不自由なく育ってきた彼女の日常は、母の死を境に音を立てて崩れ始めた。 父は、まるで悲しみを振り払うかのように、すぐに新しい妻を迎え入れた。その女性とその娘ローラが、ルクセンブルク公爵邸に足を踏み入れた日から、アリシアの運命は暗転する。 再婚相手とその娘ローラが公爵邸に住むようになり、父は実の娘であるアリシアに対して冷淡になった。継母とその娘ローラは、アリシアに対して日常的にそっけない態度をとっていた。さらに、ローラの策略によって、アリシアは婚約者である幼馴染のオリバーに婚約破棄されてしまう。 そして最終的に、父からも怒られ家を追い出されてしまうという非常に辛い状況に置かれてしまった。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります

恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」 「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」 十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。 再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、 その瞬間に決意した。 「ええ、喜んで差し上げますわ」 将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。 跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、 王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。 「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」 聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

〖完結〗愛人が離婚しろと乗り込んで来たのですが、私達はもう離婚していますよ?

藍川みいな
恋愛
「ライナス様と離婚して、とっととこの邸から出て行ってよっ!」 愛人が乗り込んで来たのは、これで何人目でしょう? 私はもう離婚していますし、この邸はお父様のものですから、決してライナス様のものにはなりません。 離婚の理由は、ライナス様が私を一度も抱くことがなかったからなのですが、不能だと思っていたライナス様は愛人を何人も作っていました。 そして親友だと思っていたマリーまで、ライナス様の愛人でした。 愛人を何人も作っていたくせに、やり直したいとか……頭がおかしいのですか? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全8話で完結になります。

【完結】私から全てを奪った妹は、地獄を見るようです。

凛 伊緒
恋愛
「サリーエ。すまないが、君との婚約を破棄させてもらう!」 リデイトリア公爵家が開催した、パーティー。 その最中、私の婚約者ガイディアス・リデイトリア様が他の貴族の方々の前でそう宣言した。 当然、注目は私達に向く。 ガイディアス様の隣には、私の実の妹がいた── 「私はシファナと共にありたい。」 「分かりました……どうぞお幸せに。私は先に帰らせていただきますわ。…失礼致します。」 (私からどれだけ奪えば、気が済むのだろう……。) 妹に宝石類を、服を、婚約者を……全てを奪われたサリーエ。 しかし彼女は、妹を最後まで責めなかった。 そんな地獄のような日々を送ってきたサリーエは、とある人との出会いにより、運命が大きく変わっていく。 それとは逆に、妹は── ※全11話構成です。 ※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、ネタバレの嫌な方はコメント欄を見ないようにしていただければと思います……。

処理中です...