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第二章新生活
16.幸福が壊れる時
しおりを挟む初めて楽しいと思えるパーティーだった。
コーデリアが知る仮面舞踏会は少しだけ如何わしさをのある物で行きたいとは思った事はなかった。
けれど、マーガレットの主催する仮面舞踏会は仮装パーティーに近かった。
親しい者同士で仮装して仮面をつけて談話したり、踊ったりして楽しめる物だった。
貴族社会のパーティーは財産の自慢ばかりして息苦しいものだったが、ここでは自由だった。
何よりコーデリアを喜ばせたのは沢山のスイーツだった。
他国のお菓子も沢山取り揃えていたので見て楽しみ、食べて楽しめた。
「どれも美味しいわ…あら?このお菓子は」
「そっ、それは」
マカロンを食べ終えたコーデリアに他のお菓子をお皿に盛りつけようとするアッサムだったが、コーデリアは隣に置かれている美しいケーキに目を奪われる。
「これはダリア?」
「新作のケーキなんだ…その、君をイメージして作ったんだ」
「私?」
ホールケーキの上には飴細工で作られたダリアの花が飾られている。
華やかで美しいケーキに目を奪われる。
品が良く、優美さも演出されている。
「なんて綺麗なダリアなのかしら」
「コーデリアの美しさには叶わないよ…」
「え?」
「あっ…いや、何でもない!」
ケーキを見つめながら嬉しそうにするコーデリアにうっかり告げてしまったアッサムは慌てる。
「そっ…そうだ、美味しい紅茶を淹れてくるよ」
「え?」
「このケーキに一番合う茶葉があるから…待ってて」
真っ赤になりながらそのまま去って行くアッサムを見て笑顔を浮かべる。
「急いでこけないといいけど」
アッサムがドジなのは有名なので心配をすると。
「わぁぁぁ!」
「おい、危ないだろうが!」
「すいません!」
言っている傍からドジをするアッサムに吹き出してしまっていた。
「来て良かった…」
パーティーで恋人を探す気はなかったけど、楽しい時間を過ごすことができた。
「嬉しいわ」
自分と同じ名前のケーキを見て微笑むコーデリアは幸せだった。
「アッサムにとつて私は花なのね…他意がなくても嬉しい」
花のように強く美しく咲きほこれる自信はない。
けれど、誰かの花になれるのであればアッサムが良いと思った。
(私は貴方を…)
優しくて、頑張りやでお菓子作りにすべてを注いでるアッサムが好まし感じていた。
街で時々アッサムのお菓子屋にてお菓子を買う時もさりげない気遣いをしてくれて、幾度なく救われたのだ。
リーンハルトの事を忘れるぐらいに今の生活が楽しいと思えるのはリリーやアッサムの存在が大きかった。
このパーティーでアッサムと過ごせた時間が何より幸せだと思った。
しかしその幸せを壊されることになる。
「お嬢さん」
「はい?」
アッサムが少し席を外している間の事だった。
「良かったら僕と…」
忘れるはずもない声に体がビクついた。
「リーンハルト様!」
「なっ…コーデリアか!」
幸福な時間が壊される予感がした瞬間だった。
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