悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!

ユウ

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第二章北方四島の絆

閑話4第二王子の失態④

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これまでずっと守られていた事を知らずにいたアルセウスは一瞬で味方いなくなった。

家臣とは道具ではない。
宝だと先代国王が常に言っていた言葉でフィルベルトも側近を大切にしていた。


上に立つ者は常に下の者への気配りが必要だった。
例え国王で会っても理不尽な態度を続ければ優秀な者は愛想をつかすし、忠誠とは絶対的なものではない。


長い時間信頼関係を築きあげても絶対ではない。
王だから無条件に忠誠を尽くすなんてありえないのだから。


ただその人を支えたいという思い。
強いリーダーシップを持つ者ではなくてはついて来ない。


アルセウスは優秀であるが、リーダーシップはなかった。
対するフィルベルトは特別優秀ではないが、リーダーシップは優れている。

何より側近を心から信頼していたのだから。




(くそっ…何故だ!)


周りはアルセウスを庇う事はしない。

(僕の為に身を差し出しても当然だろう!)

今回の事でアルセウスは新米官僚に責任を押し付けに自分だけ逃げた事が噂になった。
手紙の件に関してもただの官僚が内容を確認する事はないし、意見を言えるはずがないのだから。



それだけではなくフィルベルトが廃嫡になった事で側近の入れ替えをしたが、少しでも気に入らなければ解雇していた。

王宮勤めを解雇されたら王都ではどんな扱いを受けるか解っていない。
アルセウスは彼等がどうなろうがどうでも良かった。

その結果、多くの貴族達の心が離れていた。
いかに王子であるとも臣下の心を掴めなければ公務にどれだけの支障が起きるか考えていなかった。


(無能な奴らがなんだ…何としても名誉挽回を!)


急いで手柄を立てるべく、王妃である母に助けを望んだアルセウスはヴェロニカの元に向かった。



「母上!」

「アルセウス様、お止めください!王妃陛下は…」


「どけ!無礼者!」


約束もなく勝手に押しかけることはできない。
特に王妃宮と呼ばれる宮殿では王ですら約束も無しに入る事はなかった。



「騒々しいわね」


冷たい表情でヴェロニカはアルセウスを睨む。


「母上!」

「貴方は外交問題だけでなく、王子として…いいえ貴族子息としてのマナーも忘れてしまったのかしら?」

「そんな事よりも…」


「陛下から話は聞いているわ。女王王陛下への謝罪文はちゃんと考えたのかしら?」

「え…」


「貴方の始末は自分でなさいね?もう子供ではないのだから…この程度の事、できて当然ですもの」


ヴェロニカの言葉は助けはしないと断言するものだった。


「できないではすまないわ…無理なら貴方はに立太子する資格はありません」

「母上」

「自分で責任を取りなさい」


アルセウスはヴェロニカに助けを請うも。


「部屋から出しなさい」


傍に控えていた女性騎士に追い出すように命じる。


「待つて下さい母上…母上!」


部屋から追い出されても諦めないアルセウスは扉を叩き叫んでいた。


「情けない…」


溜息をつきながら背を向けため息をつくのだった。




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