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第二章北方四島の絆
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しおりを挟む人種至上主義。
それはエルフや獣族と交わった種族や、人外種族を排除する考えの人達を言う。
ランタニア王国でも人主義ではないが、差別は少なく無い。
そんな中でエリンデール王国は差別が少ない。
特に王家は他民族の受け入れは寛容ではあるけど、決して強い国とは言い難い。
人外種族を嫌う国から疎まれている。
赤字続きでも国民を飢えさせないために重税をしないようにしているので王家の暮らしぶりも楽ではなかった。
一番の理由は国王の所為で国が傾くと言われている。
だけど良き王の定義は誰にも解らない、少なくとも私はエリンデール王国の王が愚王と思わない。
そしてリーシェ王女も気の強さはあれど、正義感が強く優しい方だわ。
王女でありながら冷遇されている私にも良くしてくださった方。
マリアンナ様とは水と油な関係だったけど。
「グレタ」
「良き縁談かと」
王族同士の婚姻は利益の追求。
エリンデール王国と同盟を結ぶことは悪い事ばかりではない。
赤字であるあの国は我が国にはない資材がある。
考えようによっては、我が国にも利益があるのだから。
「本来ならフィルベルトを呼び戻そうと思ったのだけど。その補佐を貴女に頼むつもりだったわ」
「辺境地での噂は私の耳に入っていますわ」
「ええ」
僻地にてお兄様は領地経営に領民からの信頼を得ている。
極寒の地ならでは特産物に、気難しい北方三島の代表の信頼を得る事は容易ではない。
彼等を味方につける事は内乱を避ける事と同じだから。
「彼等の信頼を得て、今さら王都に呼び戻せば領民の不信感を買います。既にアルセウスの評判ががた落ちです…一部では不穏な噂が流れているのです」
「このタイミングで呼び戻せば当然でしょうね」
大勢の前でお兄様の侮辱して、未だにアルセウスとマリアンナ様の婚約は決まってもマリアンナ様が拒んでいると聞く。
お兄様を裏切ってまで何を考えているのか。
「他者の思いを踏みにじった報いです」
「ええ…ですが、今さらなかった事にはできません」
マリアンナ様は何をしたかったのかしら?
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「フレデリカが?」
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私とは同い年で、留学をしていると聞いている。
「貴女の助けになってくれるでしょう」
「ですが私では…」
「グレタ、貴女も王位継承権を持つのです。もう一度考えてみてください」
お母様の言葉に私は何も言えなかった。
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