81 / 129
第三章雇われ国王物語
8隣国へ
しおりを挟む悩みに悩んだ末に俺は話を受けることになった。
俺に選択権はほとんどなかったけど考え方を変える事にした。
別に彼女と結婚する訳じゃない。
手紙の内容を見るとリーシェとの婚約しても結婚は強制じゃない。
俺を養子縁組という形を取ればいいし。
リーシェにに良い人が出来れば円満な婚約解消をできるように婚約する前に誓約書を書けばよい。
そんなわけでエリンデール王国に出向き顔合わせをする事になった。
現在広間にて。
「本日はようこそ遠路はるばるからお越しくださり誠にありがとう」
「フィルベルト殿下、良く来てくれましたな」
「陛下、私はもう王子でもありません」
「そうだったか…噂は聞いているが、大変であったな」
他国から軽んじられるエリンデール王国の国王。
婿に迎えられ、王としての器はないと言われる一方で貧しくとも形見からの評価はどれ程悪くない理由の一つ。
それがこの温和な雰囲気と、優しさだった。
ただ優しいだけでじゃないことは俺も知っているし、少し優柔不断であるが。
「この度は…」
「堅苦しい話は無しにしましょう。来てくださったと言う事は前向きに受け入れてくれたと言う事でよろしいかしら」
「そのことに関してですが、いくつか条件が御座います」
「条件?なんじゃ、申してみよ」
「出来る限りの事をさせていただきます」
本来なら俺のような立場で条件を付きつけるのは良くない。
だけど譲れない。
「婚約は保留にしてあくまで中継ぎという立場で王位を受け継ぐ条件と私の部下を側近に迎えていただきたいのです」
「はて…」
「それは?」
俺の言葉に二人は首をかしげるも、ちゃんと耳を傾けてくれた。
「私は廃嫡になった身です。しかも外国の元王子という立場です」
「存じておりますわ」
「我が国ではその程度の事は問題ない。まぁ大国では許されないだろうが」
問題はなくとも叩く貴族はいないわけではない。
「リーシェ王女に相応しい相手ができた時に私は後見人という立場にしていただきたいのです。彼女も形見の狭い思いをさせてくありませんし…何より愛情深いお二人のご息女です」
愛のない結婚は貴族、王族なら当然だ。
だが昔から知る親しい彼女には幸せになって欲しい。
しっかりしてるし、きっと俺よりも強くて頼りがいのある男性が望ましい。
「私はこの国が好きです。できれば力になりたいですが…こちらもややこしい立場にあります」
「まぁ…そのような」
「これ以上は無理意地できん。じゃが、人生とは解らんものじゃぞ…時の流れに身を任せよう」
良かった。
二人は納得して貰えたようで。
まぁ、両陛下は無体な真似をする事はないと思ったのだが。
「それで、リーシェ王女は?」
「ああ、娘ならば」
ダダダダ!
足音が聞こえた。
「父上!母上!」
乱暴に扉を開かれる音が響き渡った。
47
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される ――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !
恋せよ恋
ファンタジー
富豪にして美食家、オラニエ侯爵家の長女ステファニー。
もっちり体型から「マシュマロ令嬢」と陰口を叩かれる彼女だが、
本人は今日もご機嫌に美味しいものを食べている。
――ただし、この令嬢、人のオーラが色で見える。
その力をひけらかすこともなく、ただ「気になるから」と忠告した結果、
不正商会が摘発され、運気が上がり、気づけば周囲には信奉者が増えていく。
十五歳で王妃に乞われ、王宮へ『なんでも顧問』として迎えられたステファニー。
美食を愛し、人を疑わず、誰にでも礼を尽くすその姿勢は、
いつの間にか貴族たちの心を掴み、王子たちまで惹きつけていく。
これは、
見た目はぽっちゃり、されど中身は只者ではないマシュマロ令嬢が、
無自覚のまま王宮を掌握していく、もっちり系・人たらし王宮譚。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 エール📣いいね❤️励みになります!
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
yukataka
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
義務ですもの。
あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる