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第三章雇われ国王物語
24繋がり
しおりを挟む「利益と罪悪感です」
「は?」
俺はグレタがこんな条約を結んだ理由を聞くと。
ナツメはあっさりと答えてくれた。
「どういうこと?」
「リーシェ姫なら解りませんか?グレタ様の罪悪感を」
グレタが罪悪感を感じる理由が解らない。
「それは…解らなくはないわね」
「は?」
俺には解らずリーシェには解るとはどういう事だ。
確かに二人は女の子同士の付き合いがあるし親しくしていたとしても。
「私もフィルが苦しんでいる時に何もできなかった。恐らくグレタは後悔の念が強いはずよ」
「だが、仕方ないだろ」
「そこが貴方の長所で短所でもあるのでしょうが?普通は違います…貴方は一方的に回り方濡れ衣を着せられ続けた。王妃陛下も手助けをせず、周りは手を貸さなかったも同然だ」
「あの状態で何ができるんだ。過度に庇えば…」
「だからと言って王太子殿下の貴方を守らない理湯にはならない。そして偏り過ぎた貴族社会の常識が才ある生徒を孤立させ、お二人を追放させようとした」
「ナツメ…」
それはステラの事か。
表向きは厳しい事ばかり言ってステラを嫌っているのとばかり思っていたのに。
「私は彼女の甘さには思うところはありますが責任感の強さと、ひた向きな姿勢は嫌っておりません。もう少し関挙げて強かに生きればよかったのです。優しいだけでは生きて行けないのだから」
「貴方、結構いい人なのね」
「一言余計です」
そうだな。
ナツメは根は優しい。
厳しくするのは愛情を持っているから。
「王太子殿下の側近は甘すぎる。もう少し汚く、泥水を飲むぐらいなっていただかなくてはなりません。まぁその仕事は宰相となる私の仕事ですが」
「は?宰相…」
「はい、フィルベルト様が王位に就いた時には宰相になります。私程底意地が悪く男はいないでしょう?」
笑顔で言うなよ。
確かにお世辞にも性格が良いとは言えない。
腹黒だし。
「私は優しいだけのお人好しは嫌いです。その昔に身近にいたんです」
ナツメの言葉は厳しが、表情を見て愛情があるのが解る。
「努力すれば、誠心誠意尽くせばどんな人間とも分かり合える。そんなのは絵空事です」
「え?」
「私の良く知る方は、そうやって頑張り続け裏切られました」
ナツメは周りに厳しくするのは。
愛情を持っているから?
だから厳しい言葉をかけ二の舞にならないようにと思っている。
「グレタ様は早く帰国するべきでした。ですが今回の事で迷っている暇はなかったはず。彼女の願いと罪悪感を利用したまで」
「本当に恐ろしい男ね。まさしく宰相の器だわ」
「だが、これからもう少しお手柔らかにしてくれ」
確かに俺は足りない部分が多い。
その一方で損や役回りを全てナツメに押し付けたくない。
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