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第四章若き王と明日への架け橋
17変わる物
しおりを挟む「全ては身から出た錆ですわ」
「エセリラ皇女!」
執務室に入って来たのはエセリア皇女とナツメだった。
「突然の訪問をお許しくださいませ。私も外交の為に視察に来ていたのです。そこでナツメ殿に協力していただきましたの」
「しかし、お体は…」
「ご心配に及びません。回復しましたので」
いや、早すぎじゃないか?
少し前までは寝たきりで死を宣告されていたのに。
「私の病は心が問題だったのです。後は不届き者の呪いです」
「呪い…」
「元から体が丈夫ではなかったのですが、我が帝国の力を弱めようと考える愚か者が暗躍していたのです」
確かにこの世界では人を呪い殺す方法がある。
悪魔儀式等も存在し、負の気持ちが体を蝕んで行くと言われている。
「私の元主治医と看護師の変死体が発見されました」
「え!」
「そこで調査員に調べさせたのですが、マリアンナ嬢と関りのあった貴族です…と言っても彼女自身は我が帝国に圧力をかける為に彼等に力を貸していただけのようです」
「そんなことを…」
「ええ、精々薬草や医師の妨害程度です」
そんな真似をしていたのか。
確かに過去にランタニア王国の薬草や医師の派遣に対して反対されたことがある。
他国を援助するべき状況下ではないと言われ、マリアンナの意見に賛同していた大臣は貴族派寄りだったが。
国も余裕があるわけではないので当時は俺も強く出れなかったが。
「彼女自身は帝国の力を削ぎたかった…もしくは派遣して欲しいならば脅す気だったのでしょう」
「そうだったのか…」
転生者という事で悪役令嬢のフラグを折ろと思っていたとしても、人としてしてはならない。
「マリアンナ嬢はある日を境におかしくなった…そう思っていました」
「人は変わるだろう」
「ええ、フィルベルト様のように変わられることもありますが…根本的な物は変わらないのです」
元の性格と多少は変わったが、根本的な物は変わらない。
もしかしたらマリアンナも前世の記憶を思い出した当初は変わらなかったのかもしれない。
「人は変わります。でも変わってはならないものもあるのです」
「そうだな…うん」
「貴方は良い意味でも変わられました。ですが、大切な部分は何も変わっていませんでした」
「え?」
落ち込む俺の手を握りながら微笑むエセリラ皇女。
「私は前の貴方も今の貴方も好ましく思います」
「ありがとう」
本当に優しい人だ。
自分が病気で大変なのに俺を心配してくれるなんて。
「私はお優しい貴方が大好きです。これからも…」
何か距離が近い気がするんだけど。
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