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第一章
13相談
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私は悩みに悩み抜いた最中。
ある人に相談を持ち掛けたのだ。
「拝啓、おじ様へ。急なお手紙をどうかお許しください…」
図書館にて静かに手紙を書く。
実は学園に入るように援助してくださったおじ様がいる。
血縁者ではなく、私に援助してくれている人だ。
私の才能を買ってくれているのだけど顔は知らない私はその方を。
「あしながおじ様、どうかアドバイスをください」
手紙に祈りを込めてリーゼロッテ様の事を相談した。
名前は出していないけど。
「おじ様は人生経験が豊富だからきっとアドバイスをくれるはず」
その翌日、手紙は届いた。
「手紙を読みました。友人を思う君の思いは痛い程伝わりました…おじ様!」
私の気持ちを一番に察してくださっているなんて!
流石だわ。
手紙の続きを読もうとするも。
「恋愛とは難しく一方通行では上手く行きません。ご友人の相手がどう思っているか、もう一度聞いてみてはどうでしょう…って、聞くの!」
手紙を読み続けると私は手が震えた。
これまでおじ様は私に的確なアドバイスをくださった。
だけど!
「王子に話を聞くの?無理無理!」
今ですら嫌悪感があるのに。
直接聞けと?
どうせ都合の良い事ばかり言うんじゃないの?
「でもおじ様は今まで間違った事はおっしゃらなかったわ」
年長者の言葉は素直に従うべきか。
「ご友人も少し肩の力を抜いて接して見てはどうでしょう…肩を抜く?」
手紙にはどうしたらいいか明確な答えは書かれていない。
リーゼロッテ様は完璧な婚約者だ。
気負い過ぎているのかな?
「うーん、身近に恋愛の達人でもいればいいんだけど」
頭を抱えてながら唸ると。
「あらぁ?難しい顔をしてどうしたの?ベイベちゃん」
「ジェニー…そうだジェニーがいたんじゃない」
自称愛の狩人。
常に燃える恋を求めている性別不明で騎士の見習いであり、クラスは違うけど私の数少ない友人だ。
「ジェニー、お願いがあるの」
「あら?なぁに」
こうなったら恋愛の達人に相談を持ち掛けるしかない。
「なる程ね…」
「どうしたらいい?」
「まずは貴女の偏った考え方を見直してみたらどう」
私の偏った考えというと。
「浮気している王子の肩を持てと」
「そうじゃなくて、殿下はリーゼロッテ様を本当はどう思っているかよ」
「でも…」
「貴女はリーゼロッテ様が好きだから解るけど。そもそも殿下は真面目な方よ…浮気なんてできる人じゃなかったわ。まぁ許されない事だけど…でも殿方はそう言う生き物なのよ」
「そういう物って」
男は浮気をする生き物だって事?
「美しい花よりも時には野に咲く花に手を出したくなるって事」
「ジェニー…」
私には理解しがたい事だった。
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