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147お仕置き
しおりを挟むリディアにより、お仕置きを受けた翌日。
「腰が動かない」
「何でこんな目に合わねぇといけないんだよ」
「言っておくがそもそも原因は貴様だ!この私がトイレ掃除で腰痛など」
トレイ掃除といっても広すぎる王宮内の全てのトイレを三人でさせられ腰痛になった私達が現在とても恥ずかしい恰好をしている。
「この若さで補正ベルト…」
「くっ!なんたる屈辱」
「まだいいだろ。白い杖の方がまずいだろ」
黒い杖や茶色の杖は紳士の嗜みとなるが白い杖は腰痛や足の不自由な老人専用だ。
そんな物を手に持つなど、あらぬ誤解を生んでしまうのだが、
腰が痛くて立てないのだ。
リディアに至っては。
「この度は三人一緒に仲良くされていたようで」
「いや…」
「仲良く腰痛になられたのですから、お揃いの白い杖をお使いくださいませ。勿論その杖を使って公に出ていただきますわ」
絶対に逆らえない笑顔だった。
王妃陛下と瓜二つの冷たい微笑みだ。
「シオンよ、逆らわぬほうが良い。逆らったら明日はない」
アドバイスを受けた私は陛下の苦悩を心から理解した。
こうして長年の苦労が重なっていたのだろう。
そして今後私も同じような苦悩を体験するのだと思った。
「リディア様は王妃陛下にドンドン似て…」
「ああ…何処で間違えたんだ」
言うな二人共。
強く鳴ってくれたのは喜ぶべきだが、強くなりすぎるのも考え物だな。
「それよりもディアッカ」
「何だよ」
腰をさすりながら私は今後の事も改めディアッカを見つけた。
「この度の事は流石にやり過ぎだ」
「ぐっ…」
「私達よりもニナとベルモットにお仕置きを受けたのだろうが…少しは残される人間の事を考えてくれ」
ディアッカが無事で本当に良かった。
同時にこれまでディアッカにどれだけ負担を強いていたのか思い知った。
「私が不甲斐ないのは理解している」
「いや…」
「だが、お前におんぶにだっこではいけない。だからもうこんな事はするな…というか」
「できねぇだろ?」
だろうな?
今回の事はリディアが相当怒っていたからな。
またそんな真似をしたら。
「次同じ事したら宦官にされるんじゃねぇか?俺」
「…言いたくないが」
「なりかねないな」
それだけリディアの怒りはすさまじかった。
「だが、もう二度とさせない」
そうだ。
ディアッカ一人にせおわせはしないのだから。
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