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148恐ろしい笑顔
しおりを挟む腰痛に苦しみながらも執務を休むわけにいかず。
ディアッカは今回の一件もあり始末書を書かされた後にリディアの諜報員となった。
その理由が今回裏で動いたリディアに王妃陛下は感動したとか。
表で出ていなかったが協力したのがテレシア王女と兄上らしい。
ラインハルト殿下も助言はしたがあくまで表立って動いたのはリディアだ。
子を身籠っている中そのような荒業をやってのけた事に驚きを隠せないが、まさしく王妃陛下の血を引き継いでいると言っても過言ではない。
サンドラは罪人ととして刑務所にある病院に送られる事となる。
我が国では罪を犯した重病人はそこで死を迎えるのだが、事件が事件だけに看取ってはい終わりというわけにはいかず。
ここでリディアがヴィッツ家のあの二人に面倒を見させるべきだと言い出したのだ。
「本当にマジで怖いな」
「表向きは最後の時を家族でと言いながら最後まで生き地獄を与えるのがすごいな」
余程怒っていたのだろうな。
既にサンドラは死んだ方がマシだという罪を受けているのだが本人からすれば。
「この程度でですか?甘いですわよ」
「しかしだな…」
「甘いですわ。パフェに砂糖を入れよりも甘すぎますわ。胸やけです」
「あー…その」
「シオン様、貴方はもう少し厳しさを学んでください」
この時のリディアの表情は悪女も黙る程の恐ろしさだった。
「あの女を生み出した親も罪を償うべきです。ええ、今回の大事件は誰の所為ですの?」
「うっ…それはそうだが」
既に罪を受け死ぬまで刑務所の病院だ。
しかも環境は生き地獄なのだが、それだけでは甘すぎるというリディアは。
「あの女の親を穏やかに生かすなんて許せません。見せしめにしますわ」
「それは…」
「娘の最期を看取らせるべきです。まぁ、最後と言ってもあの女は酢太いですから後三十年は余裕で生きるのではありませんこと?」
「え!」
そんなに生きれるか?
体は老体になっているのだから生前数年と思うのだが。
「宮廷医師に命じて開発中の細胞を若返らせる薬を使わせました。老婆のまま寝たきりで長生きしていただきますわ」
「そんな薬をいつの間に!」
「母が秘密で進めていましたの。まだ試作段階ですが…老婆のまま残りの余生三十年は寝たきりで祈りながら反省していただきます。その親にはお世話を」
「世話?」
「ええ、しっかりとね」
怪しく微笑む表情は悪魔のようだった。
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