地獄の沙汰も慈愛次第!婚約者は姉を溺愛したので私は真実の愛を貫きます!

ユウ

文字の大きさ
196 / 225
第三章時を超えた想い!純白の絆が奇跡を生む!

1星と月の約束






大きな夜に沢山の星が輝く夜。
誰もが寝静まる夜に一人の少女が空を見上げていた。


「お姉様」


一人の少女が寄り添う。


少女は孤独だった。
幼い頃から人とは異なっていたがために、周りから疎まれ忌み嫌われていた。


人と関わることもなく、人と接することもない。
悪い事をしたわけではない。

むしろ世の為、人の為と尽くして来た。
だが、少女が成果をあげれば周りは妬み、疎み悪意を向ける。

かといって何もしなければ罵倒を浴びせる。
理不尽な仕打ちをしながらも要求をする人々に少女は疲れ切っていた。


誰にも期待なんてされなくてもいい。
人と関わらずに生きて行けばいいと思った少女にはどうしても人を守らなくてはならない理由があった。


「アルティシアお姉様」


強く手を握る少女。
人と関わることをしなかった少女は唯一守りたいと思った人なのだから。


「お姉様は何処に行かないでください」


離すまいと腕にしがみつく。
二人は血縁関係もなく、生まれも育ちも正反対だった。


腕にしがみつく少女は高貴な生まれの令嬢でありながらも、心優しく聡明だった。
とある国の北西に位置する島国の貴族令嬢だった。



「お姉様、これ以上の無理な研究はお止めください!賢人機関も行政府達もお姉様を利用するだけですわ」


「だとしても私は…」

「どうしてお姉様を侮辱した者の為にお姉様が犠牲になるのです」



時の権力者達は何時も弱い立場の者を利用する。
己の欲望の為に利用し、意に添わなければ淘汰、排除するのだから。



「私の行動が巡り巡って誰かの糧になる」

例え今は報われなくても遠い未来には変わるかもしれない。

何より温もりを与えてくれる優しい存在を守る為にまだ立っていなくてはならない。


「どうか、星のように輝きを失わないでください」

「お姉様は…」

「貴女は私の光でした。夜空に輝く美しい星です」


一人での輝くことができる小さな光。
その光はやがて周りを明るく照らし道を指すだろう。


「私の永遠の星」


寒い夜の頬にあたる風が冷たくも心地よい。
静かな夜に過ごした愛しい時間は確かに幸福だった時間だった。


その時間はわずかであったとしても。








「また前世の夢」



誰もない部屋で小さな光で目を覚ます。


「私を照らすお月様」



窓から見える満月を見上げながら悲しげな表情をする。


バイエルン伯爵令嬢エステリーゼは月を見つめながら今宵も思いをはせる。

「何処にいらっしゃいますの。アルティシアお姉様」



敬愛するたった一人の名を呼びながら。






感想 251

あなたにおすすめの小説

片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた

アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。 高校生くらいから何十回も告白した。 全て「好きなの」 「ごめん、断る」 その繰り返しだった。 だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。 紛らわしいと思う。 彼に好きな人がいるわけではない。 まだそれなら諦めがつく。 彼はカイル=クレシア23歳 イケメンでモテる。 私はアリア=ナターシャ20歳 普通で人には可愛い方だと言われた。 そんなある日 私が20歳になった時だった。 両親が見合い話を持ってきた。 最後の告白をしようと思った。 ダメなら見合いをすると言った。 その見合い相手に溺愛される。

小石だと思っていた妻が、実は宝石だった。〜ある伯爵夫の自滅

みこと。
恋愛
アーノルド・ロッキムは裕福な伯爵家の当主だ。我が世の春を楽しみ、憂いなく遊び暮らしていたところ、引退中の親から子爵家の娘を嫁にと勧められる。 美人だと伝え聞く子爵の娘を娶ってみれば、田舎臭い冴えない女。 アーノルドは妻を離れに押し込み、顧みることなく、大切な約束も無視してしまった。 この縁談に秘められた、真の意味にも気づかずに──。 ※全7話で完結。「小説家になろう」様でも掲載しています。

「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と私を嫌う夫に言われましたので、素直に従った結果……

ぽんた
恋愛
「おれがおまえの姉ディアーヌといい仲だということは知っているよな?ディアーヌの離縁の決着がついた。だからやっと、彼女を妻に迎えられる。というわけで、おまえはもう用済みだ。そうだな。どうせだから、異母弟のところに行くといい。もともと、あいつはディアーヌと結婚するはずだったんだ。妹のおまえでもかまわないだろう」 この日、リン・オリヴィエは夫であるバロワン王国の第一王子マリユス・ノディエに告げられた。 選択肢のないリンは、「ひきこもり王子」と名高いクロード・ノディエのいる辺境の地へ向かう。 そこで彼女が会ったのは、噂の「ひきこもり王子」とはまったく違う気性が荒く傲慢な将軍だった。 クロードは、幼少の頃から自分や弟を守る為に「ひきこもり王子」を演じていたのである。その彼は、以前リンの姉ディアーヌに手痛い目にあったことがあった。その為、人間不信、とくに女性を敵視している。彼は、ディアーヌの妹であるリンを憎み、侍女扱いする。 しかし、あることがきっかけで二人の距離が急激に狭まる。が、それも束の間、王都が隣国のスパイの工作により、壊滅状態になっているいう報が入る。しかも、そのスパイの正体は、リンの知る人だった。 ※全三十九話。ハッピーエンドっぽく完結します。ゆるゆる設定です。ご容赦ください。

いつまでも甘くないから

朝山みどり
恋愛
エリザベスは王宮で働く文官だ。ある日侯爵位を持つ上司から甥を紹介される。 結婚を前提として紹介であることは明白だった。 しかし、指輪を注文しようと街を歩いている時に友人と出会った。お茶を一緒に誘う友人、自慢しちゃえと思い了承したエリザベス。 この日から彼の様子が変わった。真相に気づいたエリザベスは穏やかに微笑んで二人を祝福する。 目を輝かせて喜んだ二人だったが、エリザベスの次の言葉を聞いた時・・・ 二人は正反対の反応をした。

とある公爵の奥方になって、ざまぁする件

ぴぴみ
恋愛
転生してざまぁする。 後日談もあり。

三度裏切られた私が、四度目で「離婚」を選ぶまで

狛犬
恋愛
三度、夫に裏切られた。 一度目は信じた。 二度目は耐えた。 三度目は――すべてを失った。 そして私は、屋上から身を投げた。 ……はずだった。 目を覚ますと、そこは過去。 すべてが壊れる前の、まだ何も起きていない時間。 ――四度目の人生。 これまでの三度、私は同じ選択を繰り返し、 同じように裏切られ、すべてを失ってきた。 だから今度は、もう決めている。 「もう、陸翔はいらない」 愛していた。 けれど、もう疲れた。 今度こそ―― 自分を守るために、家族を守るために、 私は、自分から手を放す。 これは、三度裏切られた女が、 四度目の人生で「選び直す」物語。

当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!

朱音ゆうひ@4月1日新刊発売!
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」 伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。 ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。 「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」 推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい! 特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした! ※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。 サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします 他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )

本当に現実を生きていないのは?

朝樹 四季
恋愛
ある日、ヒロインと悪役令嬢が言い争っている場面を見た。ヒロインによる攻略はもう随分と進んでいるらしい。 だけど、その言い争いを見ている攻略対象者である王子の顔を見て、俺はヒロインの攻略をぶち壊す暗躍をすることを決意した。 だって、ここは現実だ。 ※番外編はリクエスト頂いたものです。もしかしたらまたひょっこり増えるかもしれません。