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第三章時を超えた想い!純白の絆が奇跡を生む!
30歌姫ご立腹
魔物討伐隊の件が起きる少し前にウィンリィは学園を休んでいた。
領地で少し問題が起きたとだけ友人に伝えていたのだが、家の事情を軽々しく聞くことはできなかった。
「私が何故怒っているか知っていて?」
「はい…」
「私が不在の間に起きたことをセフィーナに聞いたのよ。家の事情とは言えぞ駆け付けられなくて申し訳なかったけど…貴女、もう少し自分の事を考えられないの?」
「ごめんなさい」
「改善ができないのに謝罪は良くなくてよ?」
「ひぃ!」
言っていることは真っ当だった。
ディアナがここで謝罪しても改善する気がないならその謝罪は意味がない。
「国の状況は理解しているわ。ルーカスさんの事も聞いているし…だけど、貴女分かっているの?」
「え?」
「自己犠牲なんて糞よ」
(今糞って言った?)
平素から完璧な令嬢であるべく振舞っているウィンリィからありえない言葉を聞いた。
「一時的な自己犠牲は意味がないわ。貴女が無理をしても権力者たちは痛くもかゆくもない。だってただの金ずるの一人だもの…まぁ消耗品が死のうがどうでもいいのだから」
「言葉が過ぎる!」
「事実よ。大体貴女は今まで何をしていたの?」
「うっ…」
怒りの矛先はセフィーナにも向けられる。
「主の暴走を止めるのも護衛騎士の役目でしょう?侍女である彼女はディアナを止められないけど貴女は違うでしょ」
「理不尽だろう!」
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