冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

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第二章

7.エールを


体育館にて。


「新入生諸君、入学おめでとう。これから多くを学び、思い出を作り、学園で得た宝を大事にしてくれたまえ」


舞台に立つロベルト様は論とした佇まいで社交界とは違う一面を見せながら挨拶をしていた。

「それでは新入生代表」


「はい」


挨拶が終わる中、新入生代表が呼ばれるが、体育館がざわめく。


「えっ…新入生って」

「嘘でしょ!」


「何で平民、しかも見るからに育ちが悪そうなの」


新入生代表に選ばれるのは大変名誉な事で、生徒会に入る事も決まっている。
現在の生徒会には王族であるロベルト様を筆頭に優秀な高位貴族も入っているので、生徒会に入れ優遇されると思っているのだ。


まぁ、生徒会に選ばれた生徒は一目置かれるので貴族、特に下級貴族にならば卒業後は宮廷侍女になる事や、王立研究所の推薦も有利になるのだ。

跡継ぎ以外の貴族は独立しないといけないので、嫉妬を抱くのは当然だが、平民でしかも裕福ではない貧しい身分では納得しない人も多いだろう。


「信じられない…何で」

「どんな手を使ったのかしら」


ヒソヒソと囁く声は、次第に悪意のある声となり。
わざと恥をかかせようとするようだった。


こんなの一方的すぎる。

卑怯なやり方だわ。





パチパチ!!

「エリーゼ様?」

私は出来るだけ大きな音で拍手を送る。


「エリーゼ様って…公爵家の」

「公爵令嬢が席を立って拍手をしているわよ」

「ちょっと、まずいんじゃ?」


誰もが着席する中私は一人立ち上がり拍手を送り悪目立ちするが、この際無視だ。


私の拍手に続き、他にも拍手の音が聞こえた。


(ジュリア様?)


大きく拍手をしてくれたのはジュリア様ともう一人。


(シルビアだった)


フワッ!


その時だった柔らかい微風が吹いた。


「窓も開いていないのに風が…」

ふと斜め前の席を見ると、片目でウィンクしてくれたシルビアに、舞台から同じく生徒会の役員である先輩が私を見て投げキッスをしていた。



空気は完全に代わり、非難する声はなくなっていた。


「精霊が君を祝福している。さぁ」

「はい」

ロベルト様が促す事により、安堵した。



「エリーゼ様、お見事ですわ」

「え?」

「あの状況の中、行動されるなんて流石ですわ」


入学式が終わった後、ジュリアン様に褒められ驚く。

「お恥ずかしい真似を」

「いいえ、私は感銘を受けました。あの状況下で彼女の風向きを変えられるなんて」


いや、私は拍手をしただけだし。
しかも助け舟を出してくれたのは生徒会の方だし。


「ですが、エリーゼ様は率先して動かれました。貴女はご自分が悪目立ちするのを別って助けられたのでしょう?勇気ですわ」

「ありがとうございます」


なんだか、ここまで褒められると気恥ずかしいな。
社交界では私が良かれとしてきた行動は全て裏目に出て来たし、お節介をしたら悪く言われてばかりだったから新鮮だった。


「エリーゼ!」

「ロミオ様?」

後ろに何故ロベルト様を連れて来たの?


「驚いたよ。あのような真似をして」

「差し出がましい真似をして申し訳ありません」

「お兄様!エリーゼお義姉様を叱らないでください」

その後ろにはプンプンと怒ったシルビアがいた。


「ハハッ!ロミオは心配こそしても怒っていないぞ。エリーゼ、君は本当に俺を楽しませてくれるな!いやぁ、学園生活が楽しめそうだ」

「ロベルト様…」

私は貴方の暇を潰す為の玩具じゃないんですけどね!


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