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第二章
16.いい迷惑
学生にとって避けて通られない道。
それは筆記試験だ!
「くっ…なんて事なの」
入学して二か月、中間試験の結果で私は頭を抱えた。
落第点というわけではないが平均点ギリギリだったのだが、問題は数学だ。
「この世から数式なんて無くなればいいのよ…そうよ、計算なんて最低限にしてくれればいいのに。因数分解なんてこの世から抹殺してしてもらないかしら?」
「高位令嬢の言う言葉ですか…って、何ですか?そのありえない点数は!」
音もなく背後から現れるスコットは私の答案用紙を盗み見した。
「良く合格できましたね」
「フッ、文系で点を稼いだのよ」
「偉そうに言うことで…って、数学の点数はありえないのに何故専門教科は満点なんです!ありえないでしょう?技能科目、美術はありえませんね」
私は苦手な科目は悲惨だけど得意科目は優秀だった。
美術や技能に科学は得意だ。
しかし数学は除外だ。
「実験って楽しいのよね」
「言っておきますが、貴女が好む錬金術も計算式は必要なのですよ!」
「私は錬金術よりも草花の採取とかの方が好きなんだけど」
「貴女はどうしてこうも落差があるのです!」
何故起きられねばならないのか。
「貴女が馬鹿だと僕の評判にも関わるんです。いいですか、僕は中等部の間に白銀クラスになり、高等部では黄金のSを習得するつもりです」
「うん」
「そして華々しく卒業式ではロナウド様の次に優秀な成績を収める予定です」
貴族を敵視しているのに何故ロナウド様?
「言っておきますがあの方は特別です。お体は丈夫ではないと言うのに、リスクを背負っておられながら、市政にも目を向けられる素晴らしい方です」
「はっ…はぁ」
「僕の最終目的はあの方の側近となり、文官となる事です」
声高らかに宣言するスコットは人生計画を私に説明する。
「これが僕の計画です」
「はぁ…」
何処から取り出したの大きすぎる紙に人生設計が書かれている。
「故に僕の住まう寮の生徒が無能では困るのです。勿論寮長である貴女も例外ではありません…しかし僕は努力もしない人間は屑だと思っていますが、生まれ持って能力が乏しくも努力している者を貶す程落ちぶれていません」
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普通に私を貶しているよね?
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「もういい?私、勉強しないといけないんだけど?中間テストギリギリだったから期末テストで挽回しないと」
「貴女が普通に勉強しても次の試験では下から数えた方が早いでしょう」
私のハッピーエンド計画にこの男を除外してもいいかな?
正直、ものすごくむかつくんですけど!
「しかし、心配ありません!優秀な僕が君に勉強を教えてあげましょう」
「は?」
「そうすれば僕の評価も同時に上がりますし、一石二鳥」
(マジで要らねぇ!)
思わず口調が汚くなったけど、正直な気持ちだった。
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