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間章
16.目的
しおりを挟むお祖母様との攻防戦が続きながらも、気兼ねなく過ごして貰えて安堵した。
伯母様は優しく穏やかな性格だから皆ともすぐ打ち解けた。
一番驚いたのはお祖母様はサーシャを気に入ったようだ。
他人からは厳しく気難しいと言われるお祖母様なのに、流石ヒロインだわ!
でも、ゆっくりしていられないわ。
なんの為に皆でクレセント領地に来たか。
「さてと、本題に入りましょう」
「本題?また何か良からぬ事を考えているのではないでしょうね?
「失礼な、私が常に良くないことを先導していると言いたげね」
「日頃の行いの悪さ故でしょう?」
くっ、こんな時まで嫌味を言うとは!
「エリーゼ様、何かありますの?」
「そういえば、私達が招待された理由を聞かせていただいてませんでいしたね」
ジュリア様とサーシャは私の話を聞く体制になり尋ねる。
「むふふ…折角、国の中でもトップレベルの魔力を持つ方がいるんです」
「一応俺は王子なんだがな…」
「何か企んでいるのか?面白くていいな」
クレセント公爵家に招待したのはただ皆で旅行をする為だけじゃない。
「現在、辺境地では水不足、食料不足に悩まされています。そこで皆さんの魔力を有効活用しようかと思います」
「それはつまり…」
「我がクレセント公爵家は海近く。ここから隣の領地に向かう海と海で繋がっているし、船も沢山あります。故に物資を沢山作って隣の領地に運んでバケツレースをするんです」
以前から考えていたけど、クレセント領地は作物が豊作であるが、隣の領地は貧しい。
水だって最近は汚れているのだ。
なんとかして物資を運ぶ手立てを考えたかった。
作物が豊作でも無限にあるわけではないので、クレセント領地の果物園を増やし、尚且つ短時間で隣の領地に運び、そして隣の領地から隣の領地に作物を運ぶ方法はないかと思っていた。
「辺境地はまだまだ貧しい理由は食べる物が限られているんです」
「それは…」
「しかも三食パンだけ…パンが食べられるだけマシだと言う村では草を食べている所も。お腹を壊します」
「いや、お腹以前に毒草だったら死ぬ恐れがあるぞ」
薬草の知識がない平民がそんなものを気軽に食べたらどうなるか。
考えただけでも恐ろしいし、一番心配なのは衛生管理だった。
「私が10歳の頃、こっそり抜け出してスラム街に行ったんですけど」
「ちょっと待て、何普通に行っているんだ!」
「まぁ、それは置いておいて」
「エリーゼ…」
「お兄様、話が進みませんわ」
ロミオ様を抑え込むシルビアに内心でナイスと思いながら私は当時の事を話した。
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