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第三章
34.もう一人の姪~シェリラside
思い詰めた表情をするジリアンを見て私はなんて声をかけて上げれないいか解らなかった。
ジリアンは誰よりも愛情が深い。
数々の問題を起こすマリアンヌを既に公爵家との縁を切らせた方が良いと言う声が出て来ていた。
けれど、ジリアンは首を縦に振らなかった。
他所に出しても問題を起こさないとは言い切れないし、無責任だと考えていたのだろう。
自分の教育が間違っていたと責めている。
ジリアンが悪いわけじゃないし、間違ってたとしたらエリーゼは?ハイネは?
二人は本当に良い子に育ったわ。
特にエリーゼは本当に優し子に育っている。
ジリアンは否定するけど、エリーゼはジリアンにそっくりだわ。
昔の姿そのものだわ。
私が病弱で、寝たきりだった事で他所の貴族から心無い言葉で責められた時もジリアンは私を庇って守ってくれた。
元から気の強い子だった。
目元がつり目で少しキツ目に見えるけど、美人だとも思っている。
私のように弱弱しい印象では他家から舐められるし。
人一倍正義感が強く、健康だったジリアンは私や末の妹のエイリンを守ってくれていた。
誰よりも優しい子なのに。
本当は誰よりも傷つきやすい性格なのに隠していた。
「ジリアン、私もエイリンも貴女の味方よ。貴女の決断に従うわ」
「お姉様…」
「だけど忘れないで。貴女は一人じゃないわ。私達がいるわ」
もしマリアンヌが公爵家を出るようなことがあっても、遠くから見守る事は出来る。
だけど!
あの子はどうしてあんな風になってしまったのかしら。
ハイネも少しばかり性格が拗らせてしまっているけど根は優しい子だわ。
マリアンヌは何故ああもエリーゼを、自分以外の人間を見下し、常に自分を中心に考えるのだろうか。
私は…あの子を愛せない。
何度も頑張ってエリーゼのように愛そうと思った。
けれど、同じように愛せないの。
ジリアンの子だから愛情は少しだけならあるわ。
でもエリーゼが同じ状況になったらどうしただろうか?
エリーゼだったら私は養女の迎え、私の全てを尽くしてでも守ろうと思った筈だ。
でもマリアンヌにそこまでできるかと言われたら否だわ。
冷たい言い方だけど、そこまでの愛情を持てない。
持とうとも思えない状況にまでなっているの。
「お姉様、ごめんなさい…ごめんなさい」
ただひたすら謝るジリアン。
あの子は気づいているのかしら。
ジリアンがマリアンヌを守る為に修道院に入れて、その後留学の手続きをしようとしたことを。
何一つ理解しようとしないあの子に苛立ちさえ感じていた私は、酷い伯母なのかもしれない。
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