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第五章
49.恐ろしい程に~ロミオside
とんでもない事になった。
シルビアから手紙が届き、明日の学園祭に使うはずの薄力粉が届かなくなり、パティシエが怪我をして.たりとアクシデントが続出している知らせを聞いて急いで学園に向かった。
…が!
「無理に決まってますわ!」
生徒会室からエカテリーナの怒鳴り声が聞こえる。
「果物も砂糖も不足してお菓子を作るなんてできませんわ」
「だから代用すればいいんですよ」
「今回ばかりは無理ですわ」
またしてもエリーゼが何か考え付いたのだろうか。
「失礼する!」
「お兄様!」
「シルビア」
生徒会室に入るとまるでお通夜のような空気だった。
ただ一人を除いでだが。
「ロミオ様、お勤めご苦労様です」
「いつも通りだな」
一人だけやけに明るいエリーゼに対して、普段は能天気なリオネルも落ち込んでいた。
「薄力粉もない、砂糖もフルーツもないのにケーキを作るなんて無理ですわ。生クリームだって…」
「確かに…」
お菓子にはケーキがないとインパクトに欠ける。
何を代用品にする気なのか。
「スコット、良かったね」
「何がです」
「これでスコットの懇意にしているご夫婦のお店を宣伝できるわ」
「「「は?」」」
この状況で余裕というか、悪だくみを考えている表情だった。
「ケーキを変更してお菓子を変更してパン工場に変更よ!」
「「「「えぇぇぇぇ!」」」
ケーキをパンに変更。
しかも何処からスケッチブックを取り出したんだ。
「お菓子がケーキ屋やクッキーじゃないとダメなんて誰が決めたの?大体、お菓子よりもパンの方が普段から食べてるんだからいいじゃない」
「何を考えているんですの!パンだなんて」
「でも、歴史はパンの方が長いわ。それにパンの方が保存も聞くし、その場で焼き立てを提供できるわ。甘いだけでなく辛い物も提供できるし、コストはかからない時間も短縮できるし、追加もできるわ」
「確かに…パンならば焼きたてをすぐに提供できます。それに大きさならばパンの方が…」
「だからってインパクトが…」
「ならパンミュージアムをしたらどうですか!こんな風に」
神業の如く絵を描き始めるエリーゼ。
神に描かれたのはパンのテーマパークにパン工場。
小人までいる。
「お菓子の家ではなくパンの家にするんです。果物がないなら飴をつけて飾りつけをして、砂糖なら少しぐらいなら仕入れることができるし」
「ミルクはどうするんですの?」
「今から私のペットのモーさんがいます。彼女にお願いすればミルクを出してくれます。後メリーさんも」
モーさんは牛であるが、メリーさんは山羊じゃなかったか?
「半分は牛の乳にしてもう半分は山羊にするんです。栄養価は山羊の方が良いし、アレルギーの人でも食べられます」
「エリーゼさん、貴女は普段馬鹿なのに、こういう時だけは頭が働きますね」
「おい、今すぐ眼鏡を砕いても良いだぞ!」
「フッ、バターに関しては問題ありません。バターづくりの名人に知り合いがいますから」
スコットの目つきが変わった。
そして他の皆の表情が変わり始めた。
この状況でこんな打開策を出すなんて流石というべきか恐ろしいな。
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