冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!

ユウ

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第六章

4.パンの妖精~とある老人side



人の賑わいを見て、今日の良き日を心から喜んだ。


祭り好きで、どんな素晴らしい催し物があるか期待を膨らませていた。

しかし、いざ大きな門をくぐると、がっかりする事ばかりだった。


出店は見た目は良いが、期待していた祭りとは異なっていた。


何故だ!

出店が普通の飲食店ではないか!

それに見せかけは良くても中身がない事に少しばかり残念になる。

そんな中、通りに一番目立つ店を見つける。
お菓子でも食べて腹を膨らませるはずだったのだが――。


「申し訳ありませんが、お客様はお入りいただけません」

「は?」

「失礼ながら、当店に入るには相応しくありません。他のお客様にもご迷惑ですので…」

まるで汚い物を見る様な目をする。


「しかし…」

「どうしたのイズラ…って何?その汚らしい老人は…今すぐつまみ出しなさい汚らわしい」


「私は…」

「お嬢様に汚い出て触らないで!何処の平民か知らないけどなんて汚らわしいの…どこぞの他民族が入って来るなんて不愉快だわ」


言葉を返す事も出来ず鞭で手を叩かれ、手て触れる事すら汚らわしいと言い放たれる。



人通りの多い場所でそんな真似をされれば他の店には入りずらくなる。

手を汚して、空腹で佇みながら今日の祭りを楽しみにしていたのに。

来なければ良かったかと後悔したその時だ。


私は大きな妖精に声をかけられた。


なんとも不思議な妖精だ。
魔力は強くないが精霊の加護がとても強い。

妖精の中では魔力が弱くても加護を持つ事はある。

稀であるが。


妖精は気さくに話しかけ、パンを差し出してくれた。


香ばしく食欲のそそるパンは私の空腹だけでなくむなしい心を優しく包んでくれた。


妖精は私の手を引き祭りを案内しながら私を楽しませてくれた。


まるで私の望みが解るかのように、中央から外れた出店に行き食べ歩きを楽しませてくれたのだ。


形だけの店はいくつかあるが、本当の出店をしている場所もあった。


『お爺さん、的当てがあります。少し遊びましょう。お得意ですか?』

「得意じゃ」


本格的な的当てに心が躍った。


祭りと言えば出店、そして的当てじゃ!


すかっかり気持ちを持ち直して祭りを楽しむ事にした私はテンションが上がり的当てをした後に他にも多くの出店に行っては楽しんだ。


そして妖精が案内してくれた場所は――。


「ここは!」

『パンの国ですよ』


全てパンで作られた空間だった。
お菓子の家ならぬパンの家の中にあるのはカフェだったが、全てパンだった。

パンの香りが香ばしく、また食べたくなってしまう。


『この後パン教室や、パンの試食会、パン工場の見学、パンの大食い選手権もあります』

「なんと!」

パン好きにはたまらない催しではないか。

目の前にいる妖精が天使に見えた。



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