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第六章
30.柔軟性~エカテリーナside
人は学ぶ生き物だと思っていました。
一度失敗したら二度と同じ過ちを繰り返さないと信じて疑いませんでしたが、何度も痛い目に合ってお繰り返し失敗を繰り返す馬鹿はいるのですね。
いいえ、学ばないのですから馬鹿すぎますわ。
「ちょっと!離しなさいよ!」
「本当に煩い人です事。こうもあっさりと罠に引っ掛かってくださるなんて」
「どうしてこんな馬鹿が我が校に入ることができたのでしょうか。不思議でなりません」
「不正はないと信じたいですわね」
珍しくスコットさんと意見が合いましたわ。
でも、学力はギリギリでしたし。
今年の試験は去年よりも優しかった事もあります。
恐らく補欠合格したのではないかと思いますが、まずはこの煩い口を塞ぎたいですわ。
「何よこの縄は!いだだっ!」
「叫ぶと静電気が流れますのでご注意を」
「エカテリーナ、先に何故言わなかったんだ」
不思議そうな表情をするリオネル様。
本当に解っていませんわね。
「先に行ったら面白くありませんわ」
「うむ、そうか」
「リオネル様、少し黙っててくださいますか?話が進みませんわ」
強制的に下がらせましたわね。
ですが騎士でもあるリオネル様が同情されたら困りますもの。
「スコットさん」
「ご心配なく。この歩く疫病神さんに仏心なんて持ち合わせていません。まぁ、今回の件に関しては感謝しますが」
ちゃんとわかっておられるようですわね。
「さてと、店の傍でコソコソとこんな物騒な物を入れようとするなんてどういう事ですの?」
「なっ…」
「一応警戒はしていましたけど…まさかこの期に及んでまだ妨害策をするとは思いませんでした」
私が取り出したのはこのお馬鹿さんがパンに毒を入れようとした小瓶だった。
見つけたのは私ではありませんが。
「毒と言っても下痢や嘔吐程度。ですが、飲食店でこんな騒ぎになれば問題になります。そして責任は春麗様とエリーゼ様になりますわ」
「それが狙いだったのでしょう…ですが、貴女の妨害対策の為にあらかじめトリアノン夫人より対策をしていただいてましたの。使い魔を使ってね?」
「なっ…お母様が!」
学園祭当日、このお馬鹿さんが何かするだろうと想定していらしたようで、使い魔をあらかじめお店に置いてくださった。
まぁ彼女の妨害については言いませんでいしたけど。
これ以上トリアノン夫人を追い詰めるような真似はしたくありませんでしたから。
ですがもう流石にしないと思ったのに。
本当に学ばない人ね。
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