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第一章婚約破棄事件
10.家庭教師に就任
しおりを挟む私が正式に侯爵家の家庭教師として招かれるようになったのですが、淑女教育ならば相応しい方がいらっしゃるのに、すべてを一任されました。
一部ではすべて押し付けられたと言っても過言ではありません。
ですが、古くから侯爵家に仕えておられる使用人の皆様は私によくしてくださいました。
私を良く思わない方もいたのですが。
「ここでは、伯爵家とはマナーが違いますのよ」
「ではその違いをお教えください!一言一句違えずに…次までにすべて覚えて参ります」
「は?」
伯爵家とは違い侯爵家は高位貴族で礼儀作法も異なり、指摘を受けるの事もありました。
ですので私はその違いをご教授いただきたく思いました。
「して、現在お召しになっている生地は東洋の物ですか?是非、仕入れ先をお教えください。大変美しいお召し物です。是非我が商会でも取り扱いたく」
「ちょっと何ですの!」
「是非!」
私を毛嫌いする侍女の方は他民族の方もいらっしゃいました。
故に、帝都では知られていない工芸品や手芸品をお持ちでしたのでそれとなく聞き出しました。
「伯爵夫人…」
「あの気難しい春麗を」
私は一度スイッチがが入ると止まりません。
東洋の文化を取り入れて帝国に新たな流行の風を巻き起こして見せます。
「さぁさぁ!」
「来ないでください!」
「私の異名はスッポンです!遠慮なく私の悪い事を包み隠さずおっしゃってください!」
「いやぁぁぁ!」
こんな感じで私を嫌う侍女等を追いかけまわす日々が続いた後に。
私を嫌う声は自然と無くなりました。
ですが、春麗と名乗るチャイナさんは私への態度は変わらずでした。
「では今日は、帝都内の経済効果のお勉強をしましょう」
「幼児教育を何だと思ってるんですか!」
「あら?チャイナさんどうしました?」
「私の家名は陳であってチャイナじゃありません!」
あだ名の意味だったのですが。
「そうです。貴女の国の経済効果をお教えください」
「だから!」
今思えば私はこの世界で同性の友人が折りません。
パトリシア様は元上司という関係ですし、ヴィルマは使用人で、リゼットも友人関係は難しいのです。
その内チャイナさんは我がブリチア商会にて、デザイナーとして入ってくださいました。
時にはお店のクレーマー係をしてくださいました。
そして、リリアンお嬢様が五歳の頃。
皇居に何者かが侵入した後に火を放たれました。
侵入者は、皇族の皆様を狙ったようですが、メーイデン様が応戦し守らたそうです。
女性でありながら勇敢に戦い、若き太陽をお守りくださったのでした。
他の者は怯えて逃げるだけだったのに、真っ先に我が子を抱き上げ、皇太子殿下の手を引き守られたと聞きました。
皇太子殿下をお守りした功績により、メーイデン様は侯爵家のお墓に入る事も許され。
高位貴族夫人として手厚く葬儀をされた後に、勲章を与えられたのでした。
皇太子殿下を守った勇敢な夫人として。
そして最後まで立派な後ろ姿を見ていたリリアン様は幼いながらにお母様の意志を継ぐ覚悟をお持ちになられました。
「お嬢様…」
「先生、私はこれより戦います。母の為にも」
一部では今回の襲撃は貴族派が犯人だと言われています。
故に幼くも聡明なリリアン様はお母様の為にも強く生きる事を心に誓ったのでしょう。
悪役令嬢だったリリアン様は一人でした。
お父様ともすれ違い、お母様と過ごした事もなかったけれど。
でも今は違います。
僅かな時間でありましたが思い出もあります。
最後までリリアン様をお守り抱きしめるよう守っていたのですから。
「お母様は強いお方でした。そしてお優しい方でしたね」
「はい…」
「お父様は、お母様を誰よりも愛しておられました。すべてを捨てても良いと…すべてを失ったお父様を長さえできるのはお嬢様だけです」
「これからは私がお父様を守ります…」
泣くともせずに堪えてこられたリリアン様を愛おしく思いながら私は決意が生まれました。
この方を不幸にするものかと。
後に浮気野郎になるかもしれない皇子になんぞ渡すものかと!
強く誓ったのでした。
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