訳あり伯爵夫人の憂鬱な溜息~旦那様が今日もブチ切れそうで困っています!

ユウ

文字の大きさ
36 / 48
第一章婚約破棄事件

24.頼み事

しおりを挟む



お嬢様が部屋から出た後に旦那様もレオナルドの傍にいることになり、私と侯爵様だけが残った。


「急に申し訳ない」

「いいえ」


真剣な表情をする侯爵様。
とても思い詰めた表情をされています。


「伯爵夫人、恥を忍んで頼みがある」

「何でしょう」

「娘を…リリアンを嫁に貰ってくれないだろうか」

「はい?」

これはどういう事でしょうか?
深々と頭を下げられ、あろうことにも皇太子妃候補のお嬢様を嫁とは。


「私には親族はいない。もし何かあった時に頼りはいない。故に娘を任せられるのは伯爵夫人以外にいない。貴女以上に逞しく頼りがいのある女性はこの世界にいるものか」

これは褒められているのか貶されているか解りません。

「あの…」

「本当ならばレオナルドをリリアンの婚約者に頼むつもりだったんだ」

「え!」

驚愕の事実に私は声をあげてしまいました。
だってそうでしょう?

身分からしても釣り合いませんもの。


「娘はレオナルドを好いている。しかし立場を考え気持ちを押し殺しているのだ」

「好いてくれているとは思いましたが…まぁ」


確かに今まで思い当たる節は合ったのです。
リリアンお嬢様はレオナルドとは幼馴染で幼少期から共に過ごし、気持ちを預けておられましたし。

「陛下の申し入れを断りことは当時では難しかったのだ。しかし此度の一件により陛下は婚約解消を考えてくださっている」

「そうだったのですか」

「今回の一件で私はレオナルド以外に娘を守ってくれる者はいないと痛い程痛感したよ。まぁ事件がなくとも、手札が揃えば婚約解消をする予定ではあった」


「侯爵様…」


最初から皇太子妃にする気はなかったのですが陛下の面子を潰さない為。
そして貴族派の勢いを止める為にも断れなかったのですね。


「妻はレオナルドとリリアンが結ばれることを願っていた。だが私の力不足故に」

「ですが、パワーバランスを考えれば難しいのでは」

通常、性別が逆であるならば問題はないでしょうが。
男性側の方が身分が低いと色々問題が生じるし、レオナルドを婿養子に出す事は難しい。


「いいや、伯爵夫人の血筋に業績を考えれば問題ない。何より、国一番の宝石商を営む子爵家とも懇意な関係であれば、反対意見を抑え込めるだろう。彼等は社会貢献もしているからな」


チェルベロ子爵家は資産家であると同時に社会貢献をしている事で陛下からも評価をされています。
チャリティーも行い、人徳者でもあります。


彼等が味方に付けば周りを納得させることもできましょう。


「しかし…」

「跡継ぎに関しては気にしなくてもいい。手は色々あるからな」


レオナルドをここまで認めてくださっているのは嬉しい事ですし、レオナルドもお嬢様を好いていますし。


旦那様に相談して見なくてはなりません。
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた

リオール
恋愛
だから? それは最強の言葉 ~~~~~~~~~ ※全6話。短いです ※ダークです!ダークな終わりしてます! 筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。 スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。 ※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果

藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」 結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。 アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。 ※ 他サイトにも投稿しています。

嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後

綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、 「真実の愛に目覚めた」 と衝撃の告白をされる。 王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。 婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。 一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。 文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。 そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。 周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?

処理中です...