白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ

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第一章婚約破棄と白のグリモワール

21特別科

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噂により悪女となったメアリは新たな噂で持てはやされてしまった。
癒しの姫君と呼ばれ、特別科では転科早々に功績を見せた事で受け入れられたのだ。


「すごかったわ」

「まさか、魔牛を契約なしに従わせるなんて」


特別科には優れた魔導士候補に現役騎士もいる。
既に冒険家として王家からも高く評価される生徒も少なくなく、家柄や身分よりも才能を重視させていた。


「早速人気者ですわね」

「まぁ、魔獣が無傷で戻らなかったら宮廷師団にとっては大損失だからな」

戦場でも使われる魔獣を失うのは痛手だったからだ。
特に宮廷師団の騎士達は魔獣を失い生徒が傷つけば償っても償いきれなかったのだから。


「あの…」

「ん?何だ」

ミカエルと話し込んでいたユリウスはメアリに声をかけられ向き直る。

「あの…」

「ユリウスだ」

「あの時はありがとうございました。それから魔牛から助けていただいて」


「結局意味なかったがな」

少し不貞腐れたように言うユリウスにミカエルも苦笑する。

「いいえ、あの時、僅かな時間で魔牛が興奮状態の理由が解りました。貴方が雷で抑え込んでくださったから。最初から殺さず捕まえるはずだったんですよね」

「いや…それは」

「貴方のおかげで魔牛達を殺さず済みました」

多少の被害は覚悟していたが、殺す気はなかった。


それでも何匹かは犠牲になると思った。


「被害がなかったのは君のおかげだ。しかしどうやったんだ」

「魔牛が興奮していたので。角をマッサージしたんです。野生の魔牛の雌にも効果あるんですよ」

「角にマッサージ」

普通は考えないし、王都で済んでいる貴族なら解らなくて当然だ。

「そうか…君は辺境地出身だったんだな」

「はい、魔牛はペットみたいでした」

ユリウスは遠い目をした。
魔牛は猛獣に入るのにペット扱いをするとはどういう環境で暮らしていたのだろうか。


猛獣の中に飛び込んだ勇敢さと感覚が普通の令嬢とズレていた。
しかしそのズレた考えが功を奏し、誰も気ずつかない結果に導かれたのだ。




「ブハッ…貴族令嬢が…ないな」

「ユリウス様?」

クールな印象が強いユリウスが声を上げて笑い、周りが驚く。

漆黒の騎士と謡われ、周りから距離を置かれている彼の印象をがらりと変える程の笑い声だった。


「面白いな君」

「ありがとうございます」

「メアリ様、褒められていませんわよ」

「そうですか」


リーシアに突っ込みを入れられるも、特に怒る事はなかったメアリは自分の席に戻るのだった。


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