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106仕事か家庭か
しおりを挟むこれまで突拍子のないことを言われることはあった。
でも、全部にちゃんとした理由がある。
でも今回は無理がある。
「あの…少し問題が」
「私の秘書でもいいんです!」
「だからその理由を話せ!」
ここまで余裕がないなんて珍しいわね。
「実は先日リゼ様に仕事を少し頼みましたのよ。決算の書類に、税金の予算と…現在支援が足りない小学校や個人のお金をどこから搾り取ろうかと思っていたのですが」
「言い方があるだろ」
「その捻出を考えてくださったのですわ…そしたらこここをご覧ください」
絵で解るようにグラフした書類を見せられる。
「黒字じゃないか」
「そうですわ。今まで余分な経費を使っていたことがはっきりわかりますわ。貴族に税金を払わさず、尚且つ援助ができますわ!」
書類を握る手が強くてゆぶれてしまいそうだわ。
「解った!解ったから少し落ち着いてくれ」
「リゼ様を手放すのが惜しいですわ。王室の椅子よりも官僚の椅子がお似合いです!」
「別に結婚しても仕事をしても問題ないだろ?というか結婚したから家庭に入るなんて古いだろ」
「…失念してましたわ。普段役に立たないのにやりますわね」
「お前、本当にいい性格しているな」
レオは女性が夫に尽くす世を推進していない。
亡き母も領地代行を補佐していたと聞くし、私も仕事はしたいと思っていた。
「だったら問題ありませんわ。隣国は女性が外で働く行為を良く思ってませんでしたわね」
「矛盾しれいるな…妻の役目は一つでないだろうに」
辺境貴族の間では不在の夫に代わり領地を守ることが妻の役目と言われているが、自身で守る術がないこともある。
そんな女性を軽視する目がある一方で宮廷貴族は妻が率先して動くのは悪妻だと考え矛盾が多いのだ。
「そもそも聡明な女性を家庭に縛り付け機会を奪っているのが誰です!夫です」
「言っていることは正論なのですが…」
「ですが女性は出産、子育てなどもあり男性よりも不利だった。
家を守るは女性が当然故に外で働き家の中が疎かになるぐらいならば…と考えられているけど。
フォローしてくれる機関があれば男性と同じぐらい働けるはずだ。
「故にリゼ様。貴女は働く女性の代表になっていただきたいのです!」
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